打線も沈黙、狙い球絞れず

 わずか28人で9回の攻撃を終えた創成館。創志学園のエース西のほぼ完璧な投球に、稙田監督も選手たちも「今までで一番いい投手」「こんな経験は初めて」と力負けを認めた。
 常時140キロ台の直球と鋭いスライダーはビデオを見て研究していた。両球種でカウントを整えられて、どちらも決め球になるのは知っていた。一つに絞ろうと決めて打席に立ったが、右腕の振りもボールの軌道も見分けがつきにくいほどほぼ一緒。追い込まれてからは無駄な動きをなくすノーステップ打法やバスターなどで粘ろうとしたが、四球を出さない制球力にかわされた。
 打線の中軸で春の選抜では本塁打を放った松山は、相手2年生をたたえた上で感慨深げに言葉を並べた。「雰囲気が春とは違った。甲子園は、100パーセントの力を出させてくれたり、出させてくれなかったりする。悔しいけど、本当にいい場所だと感じました」

【1回戦、創志学園―創成館】4回裏創成館1死、鳥飼が中前打を放つ=甲子園

© 株式会社長崎新聞社