「米政権幹部がトランプ大統領の意志に逆行」北朝鮮外務省が指摘

北朝鮮外務省は9日、非核化に向けた朝米対話を巡り「一部の米行政府高官らが途方もなくわれわれに言い掛かり」をつけていると非難する報道官(スポークスマン)談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。

談話は、米政権の一部幹部らが「朝米関係を進展させようとするトランプ大統領の意志に逆行」していると指摘。米政権内の不協和音に言及した点が注目される。

談話は、北朝鮮が5月の首脳会談における合意を実現させるため、核実験場の廃棄と米兵遺骨送還に先行して取り組んだことに言及。そのうえで「このような善意の措置が朝米間に存在する不信の厚い障壁を崩して信頼を構築するのに寄与するとのわれわれの期待に、米国は国際的な対朝鮮制裁・圧迫を鼓吹することで応えた」と非難した。

続けて「米国が対話の相手に対する初歩的な礼儀も全て投げ捨てて、歴代行政府が体験した失敗の古びたシナリオに執着する限り、非核化を含む朝米首脳会談の共同声明の履行においていかなる進展も期待できないのはもちろん、ようやくもたらされた朝鮮半島情勢安定の気流が持続するという保証もない」と警告した

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