ごみ屋敷の住民、横須賀市が公表 改善なければ強制撤去

 神奈川県横須賀市は10日、住宅に大量の廃棄物を堆積させて近隣の生活環境を損なったとして、条例に基づき、市内に住む50代の男性の氏名と住所を公表した。2週間以内に改善されない場合は強制的に物品を撤去する「行政代執行」を行うことを男性に通達した。

 市によると、いわゆる「ごみ屋敷」の住民の氏名と住所を公表したのは県内自治体では初という。

 市によると、男性は1人暮らし。2015年7月に近隣住民から通報があり、市は事態を把握。ごみを搬出するよう再三指導したが、男性は「自分で片付けるので市の支援はいらない」と主張し、市の指導に従わなかった。

 市は今年4月、「ごみ屋敷」の解消と発生防止を目指し、「市不良な生活環境の解消および発生の防止を図るための条例」を施行。住民らに改善するよう指導、勧告、命令し、命令に従わなかった住民の氏名や住所などを公表するとともに、最終手段として行政代執行を行うことができることを盛り込んだ。

横須賀市役所

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