秦さん「後悔はない」 責任追及、続ける構え 報告集会

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支援団体が開いた集会で心境を語る秦聖一郎さん=11日、大分市内

 2008年の県教委汚職事件に絡む教員採用取り消し訴訟で、敗訴が確定した秦聖一郎さん(32)の報告集会が11日、大分市内であった。「10年間、皆さんの力があったからこそ続けられた。後悔はない」とすっきりとした表情で語った。

 秦さんは今年4月から首都圏の小学校に教諭として勤務。夏休み中の帰省に合わせて支援団体のメンバーが報告会を企画し、約20人が集まった。

 県教委が08年度採用試験で不正合格と判断した21人のうち、秦さんはただ一人、実名を公表して反論。09年3月、採用取り消し処分の撤回を求めて提訴した。

 秦さんは「最初の5年くらいはすごく怖くて、生きた心地がしなかった」と当時の心境を吐露。「不正の実態を解明したいという思いだった。中途半端な結果になり申し訳ないが、公正な世の中になるよう少しは影響を与えられたと思う」と述べた。

 処分撤回を認めなかった裁判所の判断については「矛盾だらけ、整合性のない判決だ」と批判。「これから何ができるかをずっと考えている」と不正の責任追及を続ける姿勢を示した。

 同様に提訴した男性中学教諭(40)は勝訴が確定し、司法判断が割れた。秦さんの弁護団を務めた森脇宏弁護士は「最高裁は理由も示さずに上告を退けた。何を考えているのか本当に分からない」と指摘。一方で「秦さんが顔を出して訴えていなければ、事件はすぐに風化したのではないか」と強調した。

 訴訟は一、二審とも、秦さんの採用取り消しを「適法」、男性中学教諭は「違法」と判断。最高裁は今年6月、両訴訟の上告を退け、いずれも二審判決が確定した。