桑田パイレーツがクロマティ軍を撃破! 軟式野球のブロック代表権を初獲得

桑田真澄氏【写真提供:(C)MLBドリームカップ】

桑田真澄監督自らランニングホームランで貢献

 巨人の黄金期を支えた投打の柱がファイナルで激突した。軟式野球の第4回MLBドリームカップ全国決勝トーナメントの出場権を懸けた都道府県予選、東京Aブロック決勝が12日、さいたま市の大宮けんぽ球場で行われ、桑田真澄氏が選手兼総監督として率いる桑田パイレーツが、ウォーレン・クロマティ氏が指揮を執るゼビオ選抜モントリオールエクスポズに8-3と快勝し、2度目の出場で初のブロック代表権を獲得した。

 桑田パイレーツは、10チームで争われる関東地区代表決定戦(9月23日・千葉県)に進出。勝ち上がると北信越地区勝者との東日本代表決定戦に進み、ここを突破すれば4チームで覇権を競う全国決勝トーナメント(11月24日・明治神宮球場)へ駒を進めることになる。前回大会は東京Aブロックの東京バンバータが全国優勝している。

 先発した桑田氏は、2つの二ゴロと得意のカーブで三振に奪い、初回を3者凡退に仕留めた後、2回からはいつも通り遊撃に回った。

 4回までゼビオ選抜は無安打、桑田パイレーツも1安打という投手戦が続いたが、桑田パイレーツは5回無死二、三塁から9番の桑田氏が初球を中前に弾き返して1点を先取。さらに野選や盗塁などで好機を広げ、2番・長藤の中前2点タイムリーなどで計4点を奪った。

 しかし、これまで逆転勝ちを経験しているゼビオ選抜はあきらめない。6回に先頭の立石がチーム初安打で出塁し、ここから2安打と四球でまず1点。さらに無死満塁からアーロンの右中間二塁打で2点を返して1点差に詰め寄った。なおも無死二、三塁と絶好の逆転機を迎えたが、桑田パイレーツの継投策に後続の3人が打ち取られた。

桑田氏「あきらめずに選手みんなが頑張ってくれたおかげ」

 桑田パイレーツは6回、四球を足掛かりに下位打線の連続二塁打をはじめ、桑田氏が左翼線へランニング本塁打を放つなどして4点を追加。大会規定により90分を経過していたことで、6回無死ながら試合終了となった。

 桑田氏は「厳しい試合だったが、あきらめずに選手みんなが頑張ってくれたおかげ」と関東地区代表決定戦出場を喜び、全国大会までの長い道のりについては「全員が力を1つにしてチームとして頑張りたい。全力でやるだけです」と話した。

 敗れはしたが、大きな見せ場を作って球場を沸かせたクロマティ氏は「ナイスゲームだったね。負けたけど楽しかった。とにかく楽しかった」と顔をほころばせた。

 大会前、この決勝カードを想像したか質問されると、桑田氏は「いやあ、全然考えてもみなかった」と答え、クロマティ氏は「ファンの皆さんはこのゲームを望んでいたと思う」と、旧友と戦った決戦が誇らしげだった。

 桑田氏は自ら会長を務めるボーイズリーグ、麻生ジャイアンツや東京大学硬式野球部コーチ時代の教え子らでチームを結成。クロマティ氏は自分の下でプレーしたい選手を公募し、45人の中からトライアウト(入団テスト)に合格した23人でゼビオ選抜の指揮官として大会に初参戦した。

 2人は1986年から5シーズンを巨人でともに戦い、桑田氏は87年に沢村賞と最優秀防御率のタイトルを獲得。クロマティ氏は89年に打率.378で首位打者とMVPに輝いた。(河野正 / Tadashi Kawano)

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