東京理科大、セルロース系バイオマスから希少糖を生産する技術を開発

基本反応。(画像:東京理科発表資料より)

 甘味料の需要は巨大である。だが、ブドウ糖や果糖の摂り過ぎは多くの健康問題をもたらす。そこで注目されているのが、砂糖に似た良好な味を持ちながら生体内で代謝されないためカロリーオフとして扱われる「希少糖」だ。これを生産するための新しい技術を、東京理科大学が開発した。

 希少糖と一口にいっても種類は60種類ほどある。「自然界にその存在量が少ない単糖とその誘導体」と定義される。代表的なものはエリストリールで、砂糖の7割ほどの甘味を持ちながら血糖値を上昇させず、インスリン分泌を誘導しない性質を持つ。

 しかし希少糖には重大な難点がある。一般的な砂糖に比べて、価格がかなり高いということである。

 さて今回の研究は、セルロース系バイオマスから希少糖を生産するというものだ。その方法は大きくわけて二つの筋道からなる。セルロース系バイオマスを糖化処理することにより、D-グルコースや D-キシロースのような低価格糖を生産する工程と、光触媒反応によって糖変換を起こし、低価格糖を希少糖へ変換する工程である。

 まずセルロース系バイオマスに対して酸やセルラーゼなどの糖化処理を行うと、多糖であるセルロースは単糖に分解され、D-グルコースやD-キシロースになる。

 ところで長野県で生産されるキノコは菌床で栽培するのだが、菌床には杉オガやコーンコ(トウモロコシの芯を加工したもの)が用いられる。これらからD-グルコースやD-キシロースを得ることができることは既に確認ずみであるという。

 さらに、光触媒反応特有の強力な酸化力によって、糖に酸化反応を引き起こさせる。結果として、糖の立体構造はそのままで炭素がひとつ取り除かれるため、D-グルコースはD-アラビノースになり、D-アラビノースはD-エロスロースになる。光触媒材料や糖原料を変えることで効率を高められることも分かっており、将来的にはさらに多数の種類の希少糖を生産できる可能性もあるという。

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