桑田パイレーツに敗戦のクロマティ監督「代打で出場することを考えたが…」

ゼビオ選抜エクスポズを率いるウォーレン・クロマティ氏【写真:荒川祐史】

6回に反撃の狼煙を上げたが届かず

 軟式野球の第4回MLBドリームカップ東京Aブロック決勝(12日・大宮けんぽ球場)で、巨人の主砲だったウォーレン・クロマティ氏が監督として指揮を執るゼビオ選抜エクスポズは、巨人時代の同僚、桑田真澄氏が率いる桑田パイレーツに惜しくも8-3で敗れ、初のブロック代表権を逃した。

 打撃が活発のゼビオ選抜だが、この日は沈黙が続き、5回までの毎回を3人ずつで打ち取られ、1人の走者も出せずにいた。しかし、指揮官は「うちはね、今までもビハインドの試合をひっくり返してきたから、必ずチャンスは来ると信じていた」と振り返る。

 その言葉通り、6回に立石の初安打を皮切りに長短4安打を集中して3点を返し、1点差。なおも無死二、三塁とチャンスを膨らませたが、後続が凡退して同点、逆転とはいかなかった。

 クロマティ氏は3、5、6回の攻撃時に三塁コーチャーボックスに立ってサインを出したが、“3度目正直”となった6回に反撃の狼煙が上がった。

「もう少しだったけど、とにかく楽しかったね。選手が楽しんでくれたのが何よりだ」

  試合後、クロマティ氏は現役時代から変わらぬ人懐っこい笑顔を振りまきながら、記者の問いに丁寧に答え、長い列をつくったファンには気軽にサインと記念写真に応じた。

 あの独特の構えからのバッティングが見られなかったのを残念に思う観客も多かった。自身でもふんぎりがつかず、「代打で出場することを考えたんだ。打てなかったし、チャンスもあったしね。でも辞めたよ」と、最後まで逡巡したことを明かした。

 関東地区代表決定戦に進む桑田氏へのエールを求められると、「彼は存在感抜群のリーダーだ。いるだけで存在感がある」と話し、長く勝ち進むことを願っていた。(河野正 / Tadashi Kawano)

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