マルケスvsロレンソの超高速バトルは最終周で決着。ロレンソが3勝目挙げる/MotoGPオーストリアGP決勝

 MotoGP第11戦オーストリアGP、MotoGPクラスは、オーストリアのレッドブル・リンクで決勝レースを行ない、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)が優勝した。

 MotoGPクラスの決勝レースは気温27度、路面温度43度のドライコンディションで争われた。好スタートを切ったのはアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)だったが、1周目の3コーナーでロレンソはトップに浮上。マルク・マルケス(ホンダ)が2番手、ドヴィツィオーゾが3番手で続く。

 ロレンソは1周のコントロールラインをトップで通過するが、2周目の3コーナーでマルケスがトップに浮上。ここからマルケスがレースをリードする。

 4周目の段階で、トップ争いの3人と4番手につけたカル・クラッチロー(ホンダ)との間に1秒半近い差ができ、マルケス、ロレンソ、ドヴィツィオーゾの3人が抜け出してトップ集団を形成。そのなかでマルケスが少しずつ二人との差を広げていくが、中盤に入ったころにはその差がすこしずつ縮まり始める。

 18周目のコントロールライン上でロレンソがマルケスを交わしてトップに浮上。続く1コーナーではドヴィツィオーゾがラインを外し、ふたりとの間にギャップが生まれる。

 3コーナーではマルケスがロレンソを交わしてトップに立つが、9コーナーではロレンソが再びトップに。この時点でふたりとドヴィツィオーゾとの間にはコンマ5秒前後の差ができ、終盤に入った22周目あたりではドヴィツィオーゾがトップ争いから脱落。ロレンソとマルケスとの一騎打ちとなる。

 ロレンソは終盤のトップ争いをリード。マルケスが追う展開となる。26周目の3コーナーでロレンソがラインを外す間にマルケスがトップに浮上するが、9コーナーでロレンソがマルケスのインを厳しくついてトップを奪還。終盤を迎えてトップ争いはふたりの激しいバトルとなる。

 27周目の3コーナーでマルケスがロレンソのインを突いてトップに立つが、27周目のコントロールライン上でロレンソがスリップから抜け出して前に出て、最終ラップに突入。マルケスは3コーナーでインを突くが、ロレンソに抑える。

 ふたりはテール・トゥ・ノーズのままゴールラインをめざし、ロレンソはマルケスに勝負をしかけるすきを与えず、そのままトップでチェッカーを受け、今シーズン3勝を達成した。

 マルケスはコンマ130秒の僅差で2位、ドヴィツィオーゾは最終的にマルケスから1秒5遅れの3位でゴールした。

 4位にカル・クラッチロー(ホンダ)、5位にダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が入賞。バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)は14番グリッドから追い上げ6位に入賞。7位にダニ・ペドロサ(ホンダ)、8位にアレックス・リンス(スズキ)、9位にヨハン・ザルコ(ヤマハ)、10位にアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)の順で続いた。

 中上貴晶(ホンダ)は終盤まで16番手を走っていたが、残り2周でアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)を交わして、ルーキートップ、フランスGP以来のポイント獲得となる15位に入賞した。

 チャンピオンシップ争いではマルケスがランキングトップをキープ。59ポイント差のランキング2位にロッシが続き、優勝したロレンソがロッシと12ポイント差のランキング3位に浮上。ドヴィツィオーゾはランキング4位に後退したが、ロレンソとの差は1ポイントと僅差だ。

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