【特集】2018年度インカレ直前特集『結実』 第2回 孫崎大樹×中川拳×小野寛斗

 全日本大学対抗選手権(インカレ)直前特集。第2回は、ロード対談。主将、エースとして活躍する孫崎大樹(スポ4=京都・北桑田)、好調を維持する中川拳(スポ3=北海道・帯広三条)、小野寛斗(神奈川・横浜)の3人にお話を伺った。ロード班のの雰囲気や、インカレにかける思いについて語ってもらった。

※この取材は8月3日に行われたものです。

今年は十分に狙える(孫崎)

孫崎はRCSでリーダーに立っている

――今年はすごく好調だと思うんですけど、昨年の秋から今までどういうチームを作ってきましたか

孫崎 そうですね。とりあえず練習量があまりにも少なかったので、それに割と練習も各個人に任せきっている部分が多かったので、せっかくコーチもいるので、しっかりとコーチと連携を取りつつ、個々の練習量を上げるっていうのと、また団体種目はインカレでも得点配点が大きくなってくるので、やっぱり団体種目も練習していって、質を高めていくという感じでやってきました。

――団体種目に注力し始めたのは、何月頃ですか

孫崎 もともと団体種目は春先から基本的にはやっているんですけど、今年は十分に狙えるっていうことで年度が変わる前からしっかりと目標をちゃんと設定して、それに向けて1月から試合も出るようにして、というかたちでやっているので、本当に去年のインカレが終わってからすぐ取り組んでいましたね。1年かかるくらいのスパンで取り組み始めました。

――主将になったらこういう風にしたいっていうのはどれくらい前から考えていたんですか

孫崎 自分は主将云々ではなく、上級生になったら、1年生の時から感じていたのは、全員の練習量の少なさと、一人一人の意識の低さっていうのをずっと思っていたので、主将云々っていうよりかは上級生になったら上の立場として発信していけたらいいな、と思っていました。大まかには、留学してから考えるようなことはありましたね。

――その思ってきたことを最上級生になって、練習だったりチームのみんなに還元することができるようになって成績も伸びている、というのはそれはやはり影響しているのですか

孫崎 それは僕がやったからなったっていうわけではなくて、それぞれの意識の改善と、みんながそれぞれちゃんと練習に取り組み始めた成果であって、きっかけは僕かもしれないですけど、実際に取り組んだのは選手みんななので。後はやっぱりコーチや監督も方向性がしっかりとして、僕が入部した頃よりは変わってきたので、僕だけというか、全体的に雰囲気と考え方は変わってきたかなと思うので、一概には僕だけの成果とはいえないかな、と思います。全体で取り組めた結果かな、と思います。

――1年生の頃と今では監督さんたちも方向性が違うというのは、どのように変わってきたんですか

孫崎 結構部員が少なかったので、選手主体であまり監督とかコーチが口うるさく指示出してくるっていうこともなかったんですけど、コーチもそろってきて、選手を取り囲む環境が良くなってきたので、選手の負担を減らして周りのコーチとかサポートのマネージャーやトレーナーが、選手がより競技に打ち込めるように、という環境ができ始めたので。その周りの手厚いサポートが大きいかな、と思います。

――昨年と今年を合わせたら、サポートはかなりの人数が入ってきたと思うんですけどそれによって選手にとって楽になったというか、競技により打ち込めるようになったな、という実感はありますか

孫崎 僕はすごくその実感はありますね。

中川 サポート陣は僕が1年生で入ってきた頃よりも充実しているので、楽になったなという感じです。

小野 去年に比べて選手だけでなく、マネージャーもトレーナーも意識が高くて、やりやすい環境でやらせていただいています。

――今年は下山選手(美寿々、スポ1=大阪教育大附属天王寺)が入ってきたり、ロードもかなり強い選手が入ってきたと思うんですけど、チームとして1年生の存在は刺激になりますか

孫崎 下山は女子なので、ロード班に強い影響を与えたかっていうと難しいところですね。でも、他に中野(慎詞、スポ1=岩手・紫波総合)だったり川副(雷斗、スポ1=熊本・九州学院)だったり河野(翔輝、スポ1=奈良・榛生昇陽)が3人ともすごく強いですし、実際結果も出ているので、みんなそれに多少感化はされているんじゃないか、というのは感じます。

――それぞれ今までのシーズンを振り返っていただきたいんですけれども、まず孫崎選手は今、RCSリーダーだと思うんですけどそれについてのスタンスはどのような感じですか

孫崎 今年、久しぶりに第1戦の飯山が出れたので、今まではRCS自体、そんなに年間通して数出れなかったので、狙っていても上手くいかないことも多かったんですけど、今年は初戦から出れて、初戦で勝てば絶対にRCSの総合リーダーっていうのは絶対にもらえるので、総合リーダーに立てるということで、第1戦は結構本気で狙いにいって、しっかりと狙い通りのレースができて勝てました。後は特にそこまで意識することなく、ただ自分の年間のプランで試合に出た中で、どうせ出るんだったら(RCSリーダーを)取った方が良いですし、狙える位置にいたので。今まではそこまで強くなってやるっていうよりかは、一つ一つのレースに目標を持って挑んだ結果、今もまだ上位にいれる、っていう感じなので。現段階では、まだ本気で狙っている、というのはなかったんですけど、でも白馬(RCS4戦)あたりで、これはこのままいけば、年間取れるなというのはあって、一応一つ一つのレースの狙いとか目標も大事だけど、ここまで来たらしっかりとリーダーを取りきろうかな、という方向で白馬あたりから年間を意識し始めました。

――中川選手と孫崎選手は全日本選手権ロードに出場されましたが、孫崎選手は6位で中川選手はFADでした

中川 FADはfinish after deadlineという意味で、完走した後に規定の足切り時間を超えてしまったので、完走扱いにならないというやつです。まあ、ちょっと悔しいですね。

――6位といのは順位としていかがですか

孫崎 全然満足はしていないですね。もちろん優勝を狙っていったので、優勝した選手と2位の選手とはっきりと力の差が出たので、その上位2位以外の順位はどの順位を取っても、その集団で頭を取って3位だったとしても、気持ち的にはあまり変わらないと思いますね。

――中川選手はTour Of Japan(TOJ)が5月にあったり、全日本学生個人ロードTT(個人TT)で2位になったり、そういったかなり濃い今までのシーズンだったと思うんですけど今期についてはいかがですか

中川 今年は2月からナショナルの遠征がある予定だったので、年末からシーズンインを始めたので、それで結構シーズン序盤から結構調子が上がっていて、ベルギーでも2月3月に、普段はその時期に全然レースを走らないんですけど、負荷の高いレースを7レースくらい走って、帰ってきてからもTOJがあったり全日本学生選手権個人ロードだったり、個人TTだったり、全日本選手権ロードと続いて、ちょっとTOJ終わったあたりくらいから疲れがたまってきて、だましだましで走っていたんですけど、全日本選手権あたりでちょっとだましきれなくなって、そこから若干疲れ気味という感じです。

――ナショナルチームはどういう風に選出されるんですか

中川 基本的に自己推薦の形式で、目安となる成績はあって、必ずしもその成績でなくてはいけないっていうわけはないんですけど、ある程度それに準じた成績といいますか。それを基準として応募します。

孫崎 ロードレースは難しいよね。トラックの短距離や中・長距離だったら1キロメートルTTだったりスプリントで明確な数値が出るんですけど、ロードレースって何が起こるか分からないですし、成績だけでは実力が完全には評価されないので。日本っていうのが難しくて、日本でめちゃくちゃ強い選手がヨーロッパ行って走れるかっていったら、全く走れない選手もいますし、逆に日本では上位成績に入っていないのに、ヨーロッパに行った途端に活躍する選手もいるので、あくまで最低条件みたいなのはあるんですけど、僕と中川とか小野みたいに高校の時からジュニアでもナショナルだった選手はわりとU23のカテゴリーに上がった後に、成績だけでなくて今までのヨーロッパでの走りも含めて判断されたりするので、明確な基準というのは特にないです。自分たちが来年度のナショナルチームに、強化指定に入りたいっていう申請書を毎年出して、その申請が通れば、改めて強化指定選手になります。その強化指定選手の中から遠征ごとに選手が選考される、という感じですね。

――選ばれたら1年が期間ですか

孫崎 とりあえず1年か、場合によっては途中で全然切られることもありますし、あまりにも走れていなかったり、いろいろな事情で。それも全部向こうの、代表監督の方が決めます。

――小野さんは今季のシーズン振り返っていかがですか

小野 今年は孫崎さんの代になってから、ずっと距離もできて、それこそ神宮の時は春合宿からずっと練習してきていて、すごく調子が良くて、調子は良かったんですけど、あまり結果には結びつかなかったんですけど、それで調子が良いまま東日本選手権(東日本)までいけて、トラックも団体で優勝することもできましたし、でも東日本が終わってからレースに出ていない期間があって、チームで練習できていなかったので、そこで練習量と練習の強度が落ちてしまいました。今、ロードが強いかっていわれたら、そんなに強くないんですけど、それでも状態はモチベーションとしては良いですし、レースに向けてどこまで回復できるかっていうのが問題だと思うので、トラックまでに回復して、全日本大学対抗選手権(インカレ)ではトラックをしっかり走れたらな、と思います。

――神宮の時は、結構引っ張っていましたがそういう走りをしたいということですか

小野 何もできないんだったら、先頭でレースをこなした方が良いですし、なので集団を引けるようにしていきたいです。

しっかり戦っていきたい(中川)

今季ツアーオブジャパンにも出場した中川と小野(左)

――インカレのロードに出るのは何人ですか

孫崎 マックス8人なんですけど、現状そもそも出られるのが6人しか資格を持っていなくて、1人ケガしている選手もいるので、予定では5人走る予定です。

――それは結構、痛手ですか

孫崎 8人いた方が良いとは思うんですけど、結局他の大学も8人全員そろっているか、といったら今年はそうでもないので、そこまで僕は問題視はしていないです。

――インカレでのレースプランはありますか

孫崎 自分の中では大まかには全部考えていますし、決まっているんですけど、実際に当日のレース前になってみて全員の状態にもよってくるので、あくまでプランは何個か考えていても特に全員には伝えていないですし、「こういう風にいくぞ」という話もまだしていないですね。今はまず、それよりトラックなので。

――チームパシュートですか

孫崎 そうですね。

――チームパシュートは東日本では優勝されましたが、インカレでは西の強さも感じますか

孫崎 例年、東日本の学校の方が強いというのが、インカレの団体追い抜き(団抜き)でもわりかし決勝に残っていますし、そこに朝日とかも混じってきていましたけども、今年は特にいろいろな大学が均衡していると思うので、西日本、東日本ではなくて接戦になると思うので、どの大学がどう、とかではなく自分らがどこまで詰めていけるかな、という風に、周りを見ていることはないですね。

――団抜きのメンバーは合宿で決まるのですか

孫崎 大体決まっているんですけど、合宿は合宿で最終選考というか、最後に調整するかなという感じです。

――チームとして、これを出したいという目標はありますか

孫崎 欲張って言えば、学連新記録の4分一桁台を出していきたいっていうのはありますけど、基本的に4分10秒は切っていって4分一桁台で走れれば、入賞も間違いないですし学連記録も出て、最高だなと思います。

――お二人はインカレではどのように走りたいですか

中川 ロードは前半の逃げは例年通りだったら決まらないので、後半の有力どころの展開に備えて、その中でしっかりと戦っていきたいと思います。

小野 去年はずっと集団内にいて有力どころが動く肝心なところでいないっていう展開だったので、今年は前で先行して、有力が来たところに、またそこから一緒に乗るっていう展開が今の自分にはベストかな、と思うので上手くいくかは分からないですけど最初からガンガン行って前で待っていたいなというのはありますね。

――今年はインカレに加えてツール・ド・北海道にも出場されると思うんですけど、それに向けてはどのようなスタンスで臨みますか

孫崎 今年のコースが例年に比べてもかなり厳しいものになっているので、本当に学生は全員粉砕されるんじゃないかな、と思っているので。その中でも学生乗りというのもあって、レースを動かさなくても、動かす力はなくて便乗できるので、その辺を上手く使って個々でそれなりの成績を残せればいいかな、と思います。

――チームで出たのは過去に2回あるとお聞きして、なかなかないことだと思うんですけど、気負う気持ちはありますか。中川選手は以前は北海道選抜で出場されて、今年は早大での出場で気持ちの違いなどありますか

中川 そうですね。地元とはまた違う大学チームで出るということで、北海道に行けるのもやっぱりOBの方たちのサポートもありますし、出るからには何かしら結果を出したいな、という気持ちがあります。

――小野選手はツール・ド・北海道についてはどのような思いを持っていますか

小野 去年からずっとツール・ド・北海道と言っていたんですけど、実際にツール・ド・北海道に出られるのは、孫崎さんと中川さんが奮闘して、個人戦も去年のインカレも上位で入賞してくれたおかげで、ツール・ド・北海道に出られて、自分は何もしていないんですけど、それで出られるっていうのはワセダで誇りに思います。僕はまだツール・ド・北海道に出られるかは分からないんですけど、それでもワセダで出られるというのは、すごく誇らしくて、嬉しいです。

――インカレに向けて、最後に意気込みをお聞かせください

孫崎 自分は表彰台の一番上に団体、個人共に乗れるように、最後なので最後のラストチャンスをモノにして、終えたいなと思います。

中川 今年はかなり、貴重な経験をたくさんさせていただいているので、その経験をしっかり生かして、今は不調気味なので短い期間ですが、不調からもしっかり抜け出して最高のパフォーマンスを出せるようにしっかり部に貢献したいと思います。

小野 自分はチームの足を引っ張らないことも第一にしっかりとインカレに臨めればな、と思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 小林理沙子)

インカレへの抱負を色紙に書いていただきました!

◆孫崎大樹(まごさき・だいき)(※写真左)

1996(平8)年7月18日生まれ。170センチ。京都・北桑田高出身。スポーツ科学部4年。今季は絶好調の孫崎選手。インカレではなかなか結果を出せていませんが、最終学年での優勝に期待です!

◆中川拳(なかがわ・けん)(※写真中央)

1997(平9)年9月22日生まれ。171センチ。北海道・帯広三条高出身。スポーツ科学部3年。昨年の秋、冬からの連戦で疲労も残っているそうです。ただ、昨年は5位、一昨年は3位と大舞台への強さは折り紙付き。3年連続の上位入賞を狙います

◆小野寛斗(おの・ひろと)(※写真右)

1998(平10)年5月18日生まれ。175センチ。神奈川・横浜高出身。スポーツ科学部2年。昨年は惜しくもDNFになってしまった小野選手。練習がつめていない時期もあったそうですが、今年は完走を果たしてほしいですね

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