<社説>危険な塀、全国最多 学校以外の点検も早急に

 子どもが安全に過ごせる学校で、危険な要素は極力取り除かなければならない。

 文部科学省の調査で、県内の学校は危険なブロック塀の割合が全国最多の52・6%に上ることが分かった。そのうち9割超が応急対策を済ませているが、命を守るためにも根本的対策を急ぐべきだ。

 さらに、学校だけでなく、通学路などの民間のブロック塀も早急に点検し、必要な対策が求められる。

 6月の大阪北部地震で小学生がブロック塀の下敷きになり死亡した事故を受け、文科省は全国の国公私立幼稚園、小中高校、特別支援学校5万校超の実態を調査した。

 県内は810校のうち、ブロック塀があるのが479校、ないのが326校、未報告5校だった。「ある」学校のうち、安全性に問題のあるのが426校で全体の52・6%に上った。全国平均24・7%の倍以上で、過半数に達したのは沖縄だけだ。

 コンクリート建築となじみが深い沖縄はブロック塀も多いとみられ、1校当たりのブロック塀の長さは全国で2番目に長かった。

 ブロック塀は本来、防犯や防風、防音、プライバシー確保などの効果がある。だが、耐震基準を満たさなければ、倒壊した場合、人に危害を加える凶器にもなりかねない。

 建築基準法は、高さ2・2メートル以下にすることや、高さ1・2メートルを超える場合には一定間隔で控え壁を設置することを義務付けている。

 県内では、問題のあった426校のうち、96・5%の411校が応急対策を終えている。これで安心せず、根本的な対策に早急に取り組まないといけない。各教育委員会は優先度を判断し、予算措置を進めていってほしい。

 ただ、問題は学校だけにとどまらない。通学路にある民間のブロック塀の安全確認も急がれる。

 沖縄は塩害や紫外線によって腐食、老朽化が早く進むとの指摘もある。実際、ひび割れのある塀をよく目にする。

 こうしたブロック塀が地震などで倒れると、避難や緊急車両の通行の妨げとなる。

 1978年の宮城県沖地震では、死者28人のうち18人がブロック塀倒壊で犠牲になった。これを教訓に、宮城県は耐震診断を積極的に進め、所有者に危険性を指摘した。市町村と協力して、危険が除去されるまで繰り返し改修や撤去を促し、成果を上げた。

 沖縄でも、この「宮城方式」を取り入れ、行政がもっと主体的に関わることを提言したい。危険な塀の所有者に指導し、点検や改修・撤去の費用を行政が助成する制度を充実させることが重要だ。

 国土交通省は大阪の事故を受け、民間の危険なブロック塀の撤去や改修にかかる費用の支援を検討している。

 学校を含め地域に危険な箇所はないか、まずは点検から始め、災害に強い地域づくりを進めていきたい。

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