歴史学者・朝河貫一博士の功績たどる 高校生5人がパネル討論

 二本松市出身の歴史学者朝河貫一博士の没後70年を記念したシンポジウムが11日、博士の命日に合わせ福島市で行われた。県内の高校生5人が参加したパネル討論では、日本と西洋の中世史に精通し、平和主義を提唱した博士の功績を振り返りながら、国際人とは何かを考えた。

 博士の母校・安積高の渡辺昇校長が進行を務め、顕彰事業で訪米した福島高2年の林帆夏さんと五十嵐由樹さん、あさか開成高2年の渡辺拓真さんの3人のほか、安積高2年の我妻絃さんと川松瑞季さんが登壇。博士を研究する早大文学学術院の甚野尚志教授(福島市出身)が助言した。

 生徒5人は日本の軍国主義を戒める「日本の禍機」を出版した博士の足跡を振り返り、我妻さんは「根底にあるのは先見の明。周囲の意見に流されず、意志固く行動を起こしていた」と指摘し、林さんは「二本松から世界に羽ばたいたのは地道な努力があったからこそだ」と語った。

 また、博士の足跡を通して感じた国際人として必要なことについて、五十嵐さんは「互いをよく知り、受け入れる」、渡辺さんは「歴史を知り、自分の意見をしっかり持つ」ことをそれぞれ挙げ、川松さんは「情報をうのみにせず、客観的に見る能力」と語り、平等な立場で発言することが重要だと語った。

 甚野教授は故郷を思い、人間としての魅力を磨くことが必要と指摘し「日本の若い人は人と議論できない。コミュニケーション能力ではなく、自分の主張をきちんと言う議論する力を養ってほしい」と呼び掛けた。

 パネル討論に先立ち、甚野教授が基調講演で朝河博士の功績を解説したほか、訪米した林さん、五十嵐さん、渡辺さんが活動内容を報告した。

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