金属行人(8月13日付)

 きょう13日はお盆入り。11日の「山の日」から16日まで6連休の向きも多いのではないか。世間が休みに入ると割安になるのが電気料金。電炉メーカーは電力が安く使える年末年始やお盆期間にフル操業することでコスト削減に努めてきた▼ただ、近年の関東地区では小棒需要の低迷や操業シフトとの兼ね合いで、お盆の平日は夜間操業のみとするメーカーも。さらに今夏は鉄スクラップの調達難により、お盆後半から操業を見合わせざるを得ないメーカーがありそうだ。背景にあるのがスクラップの市中発生減少。猛暑に加え、輸出を含む品質厳格化で低級スクラップの流通量自体が減っているためだ▼市中ヤード業者の入荷量は通常の7~8割に落ち込んでいるとされる。メーカー入荷は鈍く、お盆前には必要量を確保すべく各社で買値引き上げが相次いだ。一部メーカーはお盆後半の必要量確保は難しいと判断し、後半は操業を見合わせる方針という▼例年、お盆の操業対策はスクラップ市況の強材料となるが「今夏ほどタイト感が強いのは異例」(ヤード業者)との声が聞かれる。発生自体が減っている以上、需給タイト感は当面続くとの見方が多い。電極、耐火物、輸送費など電炉メーカーはコスト高が目白押しだけに、主原料のタイト感は非常に気掛かりだ。

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