【DS 7 クロスバック 試乗】ダイヤに慣れていない身には、恐れ多い…岩貞るみこ

DS 7 クロスバック

試乗する前に「ダイヤマークを散りばめました」と言われ、心構えはしていたつもりでも、車内に入ったとたん、とんでもないダイヤ攻撃にあって眩暈がしそうな『DS 7 クロスバック』 のインテリアである。

エアコンの吹き出し口も、パワーウィンドーのスイッチも、ドライブモードスイッチもそこもかしこも。ふつうは丸いルームライトまで、ダイヤマークにしている徹底ぶり。このダイヤマークは、いちど見え始めると、わさわさ見え始め、ここも! うわ、そこもか! とすごいことになる。きらっきらに囲まれて居心地がいいのかと問われれば、ダイヤモンドをつけなれていない身には、うーん、落ち着きません、すみません。

さて、このクルマ、メーターパネルの表示も、独自の世界観を持っている。ドライブモードスイッチで、エコ、ノーマル、コンフォート、スポーツと切り替えられ、メーターパネル内の速度計のわきに表示されるのだが、実にゆったりしているのだ(つまり、反応がにぶい)。しかも、表示されたと思ったらすぐに消えてしまい誠に使いにくい。

なんだこれはと眉間にシワを寄せそうになったものの、待てよ、男性にとって魅力的で安らげる女性というのは、私のようにせっかちで早口で話すタイプではなく、こういう、ちょっととろんとした、隙のあるタイプなんだよなあ。このクルマもそのあたりを見抜いていて、きっと、「そんなに急いでどうするのよ」と、ほんわり笑いながら表示しているのかもしれない(そんなわけはない)。

1.6リットルガソリン+ターボは、ディーゼルに比べると加速感は抑えられているけれど、8速ATとの組み合わせで十分な走りっぷり。ドライブモードをコンフォートにしたときだけ、サスペンションがアクティブ・スキャンサスペンション(フロントガラスに装着されたカメラで前方の路面を常時ハイスピードスキャンし、これから通過する路面の凹凸を識別してサスペンションの硬さを調整=一部カタログから抜粋)に切り替わるのだが、急に乗り心地がマイルドになり、コーヒーにミルクをたっぷり入れたときのようなまろやかさになるから面白い。

はい、このクルマを手に入れると、ダイヤモンドに囲まれて、カフェオレ状態で走れる生活が待っています。

■5つ星評価

パッケージング:★★★

インテリア/居住性:★★★★★

パワーソース:★★★

フットワーク:★★★★

オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家

イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

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