ケプカが勝利「ギャラリーの歓声を聞けば、何が起きているのか分かったよ」

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全米プロゴルフ選手権 最終日

ブルックス・ケプカが通算16アンダーまでスコアを伸ばし、今季メジャー2勝目を手にした Photo by Jamie Squire/Getty Images

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PGAツアー第43戦 全米プロゴルフ選手権/ミズーリ州 ベルリーブCC
ケプカが今季メジャー2勝目を挙げた
 全米オープン2連覇で頭角を現したブルックス・ケプカが精密機械のような正確なプレーを披露し、全米プロゴルフ選手権を制した。単独2位でフィニッシュしたタイガー・ウッズの猛烈な追い上げを退け、優勝カップを手にした。

 ウッズへの大歓声を尻目に、ケプカは冷静さをキープした。バックナインで2つのバーディを奪い、首位に並んでいたアダム・スコットと1打差に迫っていたウッズを引き離した。

 ケプカは最終日、4アンダー66(パー70)でプレーし、2位に2打差をつけて優勝した。同じ年に全米オープンと全米プロゴルフ選手権で優勝したのはケプカが5人目だ。

「ギャラリーの歓声を聞けば、何が起きているのか分かったよ。バックナインの序盤に大歓声が聞こえてきた。タイガー(・ウッズ)とスコッティー(スコット)が追い上げるたびに、歓声が大きくなってきたんだ」(ケプカ)

 ケプカは折り返し後、パーが続いたが、15番パー4で3メートル、16番パー3で2メートルのバーディパットを沈めて追撃をかわした。最終18番でパーパットを決め、264ストロークの大会レコードを樹立した。

 また、ヘンリック・ステンソンが2年前にロイヤルトゥルーンで行われた全英オープンで記録したメジャー記録にも並んだ。

 ケプカは直近のメジャー6試合のうち3試合で優勝したことになる。ケガの治療のためマスターズに出場できなかったので、今年のメジャーは3戦2勝だ。

 毎年開催コースが変わる全米オープンと全米プロゴルフ選手権の両方で優勝した選手は、他にウッズ、ジャック・ニクラウス、ベン・ホーガン、ジーン・サラゼンしかいない。

 さらに、ケプカはフロリダ出身の28歳。第二次世界大戦後、30歳になる前にメジャー3勝を挙げた選手は、他にジョーダン・スピース、ウッズ、ニクラウス、トム・ワトソンしかいない。

タイガー・ウッズは6アンダー64と追い上げたが、首位と2打差の通算14アンダー2位だった Photo by Richard Heathcote/Getty Images

 セントルイスのファンはタイガーの登場を17年待った。ウッズは2001年9月11日の同時多発テロのとき、このコースにいたが、そのときのWGC大会はキャンセルされた。ウッズは全盛期の当時と変わらない質の高いプレーを披露した。

 トーマス・ビヨンはウッズの活躍を予見していた。ビヨンは今大会の開幕直前にケガで回避したが、先月の全英オープンでウッズが優勝争いに絡んだことをについて「彼(ウッズ)はあの日、自分が誰であるかを悟ったんだ」と述べた。

 ウッズはメジャー大会でも最大級の歓声の中、バーディを次々と奪っていった。拳を振り上げ、左手でパターを持ち上げて喜びを表現した。

 ウッズはフロントナインでフェアウェイを一度も外さず、4打差を2打差に縮めた。

 折り返し後、12番パー4では第2打をピンそば1.2メートルにつけ、13番パー4では3メートルのバーディパットを決めて1打差に迫った。

 14番パー4ではティーショットに失敗してボギーを叩いたものの、15番パー4では第2打をピンそば30センチにつけてバーディを追加した。

 だが、ウッズの追い上げもここまでだった。17番パー5のティーショットはウッズにとって一番重要なショットとなった。ティーショットは右に外れ、川べりのハザードエリアに落ちた。リカバリーショットには成功したが、バンカーに落としてパーとした。

 ウッズはこの日、ボギー2個を叩いた。それでも8個のバーディを奪い、メジャーの最終日のスコアとしては自己ベストを更新した。

「今日はよく頑張ったよ。ずいぶん追い上げることができた。あと少しだったな」(ウッズ)

 ウッズが追いつかなかったのは、ケプカが逃げ切ったからだ。

アダム・スコットは首位と3打差の通算13アンダー3位だった Photo by Ross Kinnaird/Getty Images

 スコットは長いパットを次々と決め、ケプカが2つのバーディを奪うまで、首位タイをキープした。

 17番パー5では、ケプカがバーディパットを外した直後、スコットも2メートル弱のバーディパットを入れることができなかった。これが入れば1打差に詰め寄るところだった。

 そして、最終18番パー4でボギーを叩き、首位と3打差の通算13アンダー単独3位でフィニッシュした。

 ウッズとケプカは水曜日に9ホールの練習ラウンドを一緒にプレーした。メジャー通算14勝を誇るウッズは、何が問題かを分かっていた。

「真っすぐに340ヤード飛ばす男がいたら、やっかいだよ。彼(ケプカ)は全英オープンでも、ここでも絶好調だった。長い距離を真っすぐに飛ばし、パットも正確とくれば、打ち負かすのは難しいよ」(ウッズ)

 ケプカにとって今シーズンは夢のような展開になった。左腕の故障で最初の4カ月間を棒に振り、マスターズ出場を逃した。

 だが、全米オープンでは親しい友人であるダスティン・ジョンソンを破り、29年ぶりとなる全米オープン2連覇を成し遂げた。そして全米プロゴルフ選手権も制した。

 ケプカは今週、ダスティン・ジョンソンとジムで汗を流しているとき、誰も彼に気づかなかったことを、冗談めかして明かした。

 ケプカは世界ランキング2位に浮上した。フェデックスカップ・プレーオフの開幕を2週間後に控え、1位の座をジョンソンから奪うことを狙っている。

大会連覇を狙ったジャスティン・トーマスは通算10アンダー6位タイだった Photo by Jamie Squire/Getty Images

 ジャスティン・トーマスもウッズに続く2年連続のPGA王者に就く可能性はあった。

トーマスは最終日、フロントナインで一時、首位タイにつけた。ケプカがフェアウェイにボールを運べず、2連続ボギーを叩いたときだった。

 だが、トーマスは9番パー4で、2メートルのバーディパットを外し、返しのパットも決められずボギーを叩いた。14番パー4でも短いパーパットを外し、後退した。

 結局、この日のスコアは2アンダー68。首位と6打差の通算10アンダー6位タイでフィニッシュした。

 フロントナインでは17人の選手が首位と3打差以内にひしめく混戦となったが、ウッズをはじめ上位陣は、ついにケプカに追いつくことができなかった。

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