【野球U-15W杯】侍U-15代表が3連覇狙うキューバに黒星 清水監督「少し対応しきれなかった」

キューバ代表に7‐9で敗れた侍ジャパンU-15代表【写真:Getty Images】

7点ビハインドを一時は同点まで追い上げるも…

 パナマで開催されている野球の15歳以下の世界一を決める「第4回WBSC U-15ワールドカップ」は開催3日目の12日(日本時間13日)、オープニングラウンド第3戦が行われた。B組の日本は、大会3連覇を目指すキューバに7-9で惜敗。初黒星を喫した。

 日本にとって今大会初となるナイターで、立ち上がりから苦戦を強いられた。初回、先発・秋山恭平投手(筑後サザンホークス)がキューバに3安打を許し、2点を献上。2回にも相手のセーフティーバントや犠打を絡めた攻撃で2点を失うと、清水隆行監督は、初戦のオーストラリア戦で好投した2番手の畔柳亨丞投手(SASUKE名古屋ヤング)に2回途中からマウンドを託した。だが、キューバの勢いを止めることはできず、適時打と3連続四球でさらに3失点。早々と7点のビハインドを負った。

 それでも、若き侍たちは諦めなかった。2回に指名打者・杉下海生内野手(泉佐野リトルシニア)の三塁への適時打で1点を返すと、3回にも小畠一心外野手(オール住之江ヤング)の中越え適時二塁打で2点目を奪取。そして4回には、花田旭外野手(西淀ボーイズ)、前日11日に逆転打を放ち、この日初めて先発起用された木本圭一内野手(静岡裾野リトルシニア)が連続適時打で、それぞれ2打点を挙げた。1点差に迫ったところで、5回には坂玲哉捕手(湖南ボーイズ)が同点の左越えソロ。地道に得点を重ね、ついに試合を振り出しに戻した。

「しっかり振り抜けてよかった。狙っていた訳ではないが、負けていたので後ろにつなごうという意識だった。みんな焦らず落ち着いていい雰囲気でやれていたので、同点に追いつけたと思う」 

 だが、日本は6回、連投となった4番手・竹中勇登内野手(倉敷ビガーズヤング)が四球と連打を許し、2失点。結局、これが決勝点となり、連勝は2でストップした。

 坂捕手はキューバ打線について「変化球は強くない印象だったが、直球に対する打撃がすごく良かった」と話し、「相手が出塁した時に走者を警戒し、直球中心になってしまった」と配球を反省。「これからもずっと負けられない試合が続くが、この流れを引きずらないようにしっかりやっていきたい」と、切り替えの大切さを口にした。

日本からの応援団がカレーを提供

 この日は試合前、日本から応援に駆けつけている選手の家族らが首都パナマシティで買い込んだ米を炊き、カレーを提供。6日のパナマ入り後、パンやパサパサの米が主食となる慣れないホテルでの食事が続いていた選手たちは大喜びで平らげ、試合に備えていた。だが、そんな「勝負飯」も結果には結びつかなかった。

 この1敗はただの1敗ではない。今大会はオープニングラウンドA、B各組上位3チームがスーパーラウンドに進出し、オープニングラウンドとは別組の3チームと対戦するが、この3試合の結果だけでなく、オープニングラウンドで同組だった他の2つのスーパーラウンド進出国との対戦結果も含む計5試合の勝敗で、決勝に進出できる2チームが決まる。3連勝のキューバのスーパーラウンド進出はほぼ確定しており、日本は2勝1敗同士の対決となる13日(同14日)のドミニカ共和国戦に敗れると、キューバとドミニカ共和国がスーパーラウンドに進出した場合、日本はオープニングラウンドを突破してもスーパーラウンドでは0勝2敗からのスタート。A組3チームに3連勝しても、決勝進出は厳しくなる可能性が高い。それだけに、大会初優勝を狙うためには、明日13日のドミニカ共和国戦は絶対に落とせない一戦だ。

 清水隆行監督は「スピード、パワーに加え、小技のあるキューバに対し、少し対応し切れなかった」と、悔しい表情。7点差を追い上げ、一時は同点に追いついた打線については「本当に劣勢の中で全員がよくつないでああいう形に持っていき、プレッシャーを掛けるところまではいけた」と評価し、「まだ次チャンスはあるので、この差を埋めて、越えられるようにやっていきたい」と、今後の戦いでの必勝を誓った。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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