「立ち遅れた技術、実態どおりに評価を」金正恩氏が牧場など視察

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は13日、金正恩党委員長が雲谷(ウンゴク)地区総合牧場と延豊湖(ヨンプンホ)放流漁業事業所を視察したと伝えた。視察の日時は明らかにされていない。牧場と漁業事業所は、いずれも平安南道(ピョンアンナムド)に位置する。

失脚説の幹部、権力中枢に

同通信は牧場の視察に、「朝鮮労働党中央委員会の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)第1副部長、党中央委員会の趙甬元(チョ・ヨンウォン)、呉日晶(オ・イルチョン)、金勇帥(キム・ヨンス)の各副部長、国務委員会のキム・チャンソン部長が同行した」と伝えた。

元軍総政治局長の黄炳瑞氏は昨年、10月12日を最後に北朝鮮メディアでの言及が途絶え、失脚説が伝えられていた。その後、今年6月30日に金正恩氏の視察に同行したことが報道されたが、肩書は党中央委の「幹部」となっていた。今回、ほかの同行幹部より先に党中央委の「第1副部長」と紹介されたことから、北朝鮮最強の権力機関とされる党組織指導部の第1副部長に就任したものと見られる。

同通信によれば、金正恩氏は牧場の視察で、「立ち遅れている国の畜産科学技術の実態を事実通りに評価し、国家的に重視する観点を立てて優先的に発展させるための活動を積極化しなければならない」と述べた。

また漁業事業所では「複数の魚種の稚魚生産成果を引き続き拡大していくことで延豊湖に魚群が群がるようにし、国の魚資源の増殖に積極的に寄与するとの期待と確信」を表明したという。

漁業事業所の視察には党中央委員会の趙甬元、呉日晶、金勇帥の各副部長と国務委員会のキム・チャンソン部長が同行した。

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