【野球U-15W杯】侍U-15代表、ドミニカ共和国に快勝でスーパーR進出 唯一の中2・福原が躍動

三盗を決めるなど足でもチームに貢献した福原聖矢【写真:Getty Images】

12安打6盗塁で13点を奪取、「2番・二塁」の福原「チームに貢献したかった」

 パナマで開催されている野球の15歳以下の世界一を決める「第4回WBSC U-15ワールドカップ」は開催4日目の13日(日本時間14日)、オープニングラウンド第4戦が行われ、B組の日本はドミニカ共和国を13-7で下し、3勝1敗として、スーパーラウンド進出を決めた。日本はドミニカ共和国相手に12安打を放ち、走っても6盗塁。積極的に足を絡めた攻撃で相手の7失策を誘い、得点を重ねた。

 序盤からの乱打戦で日本に流れを運んだのは20人中、チーム唯一の中学2年生、「2番・二塁」で2試合ぶりの先発復帰した福原聖矢捕手(安仁屋ヤングスピリッツ)だった。2-4で迎えた2回。1死一、二塁から1番・花田旭外野手(西淀ボーイズ)の右前適時打で1点差に迫ると、続く福原が1死二、三塁から三塁線を破る逆転の2点適時打。開幕から2試合ヒットが出ず、前日12日のキューバ戦では先発から外れたが、その悔しさをバットにぶつけ、大会初安打で試合をひっくり返した。福原は更に、続く内山陽斗内野手(羽曳野ボーイズ)の打席で初球に二盗を決めると、2球目には三盗にも成功。内山の右翼への犠飛で6点目のホームを踏んだ。

「1、2戦目では思うような結果を出せなかったので、この試合で結果を出してチームに貢献したかった。そんなにいい打球ではなかったが、気持ちで打ったらいいところに飛んでくれた。盗塁は監督から、盗めたら思い切り行けと言われていた」。人生初の連続盗塁。「あの時、向こうの投手は打者に集中していて、走者への意識がなかった。ベンチでも皆で『これなら行ける』と伝え合っていた。足を絡めたことで慌てている感じがあった」という。

 とどめの一打も福原だった。9-7と2点差まで迫られて迎えた7回。福原は2死満塁のチャンスで右翼線へのエンタイトル2点適時二塁打。リードを4点に広げると、日本はさらに内山の中前適時打で2点を追加。リードを6点とし、試合を決めた。

「あの時はイケイケだったので初球を狙っていた」

2年前にはU-12代表でアジア選手権出場「外国人のモーションの盗み方は頭に入っていた」

 2年前の侍ジャパンでの経験が今、生きている。16年には中国で行われた第9回BFAアジア選手権(中国)にU-12日本代表として出場。「4番・捕手」として日本をアジアの頂点へと導いた。今回はそれに続く代表での遠征。「外国人はくせ球があることや、モーションの盗み方は頭に入っていた」。海外での食事が口に合わず、スーパーで買ったカップ麺に頼る選手もいる中、福原は「前はもっとひどかった。鳥の頭が入った食べ物とか、手が付けられない食べ物が出てきた」といい「今回は全然大丈夫です」と頼もしい。

 福原をはじめ、出塁後、初球から積極的に盗塁を繰り返し、相手をかく乱して得点につなげたナインに対し、清水隆行監督は「盗塁はチャンスがあればどんどん行こうと言っていた。選手たちがよくまとまって頑張ってくれた」と感謝。大活躍の福原には「オールマイティーな働きを期待している」といい「犠打も上手だし、走塁も打撃も見事だった。スピードがあるので、彼が2番に入ることで色んな攻撃パターンができる。本当に今日は期待通りの活躍をしてくれた」と絶賛した。

 これで日本は3勝1敗となり、4連勝のキューバとともにスーパーラウンド進出を決めた。明日14日(日本時間15日)は4敗と勝ち星がない南アフリカとの対戦。格下相手に確実に白星を手にし、勢いに乗ってスーパーラウンドが行われるダビに向かいたいところだ。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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