旧日本兵らから聞き取った戦争体験をパネルなどで紹介する「戦場体験聞き取りキャラバン報告展」が14日、長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで始まった。入場無料。9月9日まで。
ボランティア会員が戦争体験を聞き取り、映像などで後世に残す活動をしている「戦争体験放映保存の会」(東京)が主催。同会は2004年設立し、これまでに約2700人から体験を聞き取った。13年からは全国で展示会を開いているが、本県では初めて。
会場では日中戦争やサイパン戦、特攻出撃などを経験した20人の証言をパネルで紹介。シベリア抑留の経験者が持ち帰った防寒着、沖縄戦の座間味島での集団自決を題材にした紙芝居も展示している。
25日午後1時半からは、西彼長与町の旧日本兵、中野清香さん(99)によるトークイベント「99歳が語るニューギニア戦」がある。
同会事務局の田所智子さんは「長崎は戦争や平和について考える機会が多い町だが、戦地の体験を知る機会は少なく、展示を見て感じることは多いと思う。戦争体験者との新たな出会いにも期待したい」と話している。