NASCAR第23戦:フォードのハービックが2018年シーズン7勝目。トヨタのカイル・ブッシュが2位

 モンスターエナジーNASCARカップは8月12日、ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで第23戦が行われ、ケビン・ハービック(フォード・フュージョン)が優勝。2018年シーズン7勝目を挙げた。

 ミシガンにある2マイル(約3.2キロ)の高速オーバルを舞台に争われた第23戦。全36戦で構成されるNASCARはシリーズ終盤10戦がチャンピオン決定戦“プレーオフ”として開催され、その進出権をかけたレギュラーシーズン最終戦までは、この第23戦を含めて残り4戦だ。

 60周、60周、80周の3ステージ合計200周で争われた決勝レースではデニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)とカイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)がフロントロウにつける形で幕を開けた。

 レーススタートから8周目、4番手スタートのエリック・ジョーンズ(トヨタ・カムリ)が単独スピンして、この日1度目のイエローコーション。大きなクラッシュにはならなかったため、レースは14周目に再開される。

 このリスタートで2番手を走っていたカイル・ブッシュがトップに浮上。その後方にはハービックが続き、ハムリンは3番手に後退する。

 すると直後の16周目、7番手を走行していたマーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)とウィリアム・バイロン(シボレー・カマロZL1)が接触。トゥルーエクスJr.はマシンリヤに大きなダメージを負い、レースは2度目のイエローコーションとなる。

 レースは20周目に再開されると、そこから11周後の31周目、2番手を走行していたハービックがカイル・ブッシュを攻略してトップに浮上。そのままじわじわとリードを広げていくと、最終的に2.581秒の大差をつけてステージ1を制した。

 続くステージ2もハービックとカイル・ブッシュが首位争いと展開したが、ステージ中盤にピットタイミングをずらしたトゥルーエクスJr.が逆転に成功。クラッシュの影響で一時は38番手までポジションを落としたトゥルーエクスJr.がラップリーダとしてステージ終盤をリードしていく。

 しかし、トゥルーエクスJr.はチェッカーまであと1周のところで燃料が切れて緊急ピットイン。ピットがクローズされている最中での作業となったためペナルティを受けて周回遅れに。

 これでステージ2はハービックがふたたびトップチェッカー。ステージ2位にはカイル・ブッシュが続く結果となった。

 最終ステージ3はスタートから7周目にクラッシュが発生してイエローコーションに。レースは残り57周で再開されたが、この距離は無給油では走りきれないため、ドライバーごとに戦略が分かれることとなる。

 また、このイエローコーション時、周回遅れの最上位を走っていたトゥルーエクスJr.は救済措置“ラッキー・ドッグ”の恩恵を受けてトップと同一周回に復帰した。

ケビン・ハービック(フォード・フュージョン)

 レース再開後はイエローコーションが出ない展開が続き、各車ともグリーンフラッグ下でピット作業を行っていくが、トップを走るハービックに届くドライバーはおらず。最終的にハービックは2位のブラッド・ケゼロウスキー(フォード・フュージョン)に対し、3.223秒の大差をつけて優勝。シーズン7勝目を挙げた。

 3位にはカイル・ブッシュが入り、これがトヨタ勢最高位。一時は周回遅れとなったトゥルーエクスJr.は最終的にトップと同一周回の14位でチェッカーを受けた。

レース後、ハービックは息子のキーランくんを乗せてウイニングラン

 レース終了後、チェッカーフラッグを持ってきた愛息のキーランくんを助手席に乗せてウイニングランを行ったハービックは「今一番重要なのは、とにかくレースで勝利して(チャンピオンが決まる最終戦)ホームステッドに可能な限りポイントを重ねて挑むことだ」と語った。

「この1年、僕たちはとにかくレースに勝つことだけを考えてきた。それが唯一の目標であり、ほかに学ぶべきことはないし、違うことをするつもりもない。とにかく全力で戦って、勝ちたいだけなんだ」

「キーランには仕事を助けてもらっているんだ。大抵、レースの翌日には自宅でビクトリーレーンセレモニーのまねごとをしているんだよ」

「父として、そしてNASCARに携わる人間として、自分の家族をレーストラックに迎えて、(息子が)NASCARの一員として(チェッカーフラッグを渡すという)仕事をこなしている姿を見れて、これ以上ないくらい幸せだよ」

 モンスターエナジーNASCARカップ第24戦は8月18日、テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで開催。プレーオフ進出権をかけたレギュラーシーズンは残り3戦となる。

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