軽仮設メーカーの日綜産業、ハワイで50周年記念大会 「メンテナンス足場でナンバーワン目指す」

 軽仮設メーカーの日綜産業(社長・小野大氏)は先月28~29日、ハワイ・ホノルル市のヒルトン・ハワイアンビレッジ・ビーチ・リゾート&スパで創立50周年記念大会「Uprising NISSO2018」を開催した。社員と家族、来賓関係者ら約800人が参集し、節目の年を祝うとともに「メンテナンス足場業界ナンバーワン」に向けて皆が決意を新たにした。

 参加者は現地到着後、アロハ・スタジアムの駐車場に臨時設置された展示場「ニッソーニューエンジニアリング展示会」を視察。会場ではNISSO法面シリーズの作業構台「マルチアングル工法」と今年度から本格販売を開始した「ロックボルト工事用構台システム」、そして今回初披露となった鉄骨用安全帯取付け手すりシステム「NISSOセフトレール」が展示された。

 「ロックボルト工事用構台システム」は法面ロックボルト工事で削孔機などを載せるユニット足場。今年、岐阜県内の中央高速道路改良工事に初採用された。会場では従来の「マルチアングル工法」と並べて、足場構造の違いから施工面でのメリットなどをPR。隣のマルチアングル工法で組んだ構台は実際に登れるようにして、来場者らはその高さを実感した。

 28日夕は、今大会参加者全員が集まってホテル敷地内でガーデンパーティーを開催。ビーチからの心地よい夜風を受けながら、BBQに舌鼓を打った。

 翌29日に行われた記念式典の第一部では、主催者を代表して創業者である日綜産業の小野辰雄会長が挨拶。「皆とハワイで50周年を祝うことができて感激。私たちは、会社は家庭、社員は家族という理念をベースに建設現場の安全・安心に貢献してきた。『建設現場の縁の下の力持ち』というプライドを持ち続け、次の100周年に向かって頑張っていこう」と述べた。その後、長きにわたりグループ事業に貢献してきた社員らの「永年勤続特別功労賞」の表彰が行われた。

 第二部では、日綜産業の小野大社長とゲーテハウスの小野勘社長が、それぞれ今後の会社のビジョンについて語った。

 小野社長は「5年前、自分が社長に就任した新体制のもと『プライドと挑戦』を掲げて時流を先取りした製品・サービスの提供に注力し、この5年間で営業収益を2倍にすることができた。全社員と社員を支えた家族、そして会長をはじめ先人たちに感謝申し上げたい」と挨拶。その上で「すべてのメンテナンス足場業界で自社のエンジニアリング機能を最大限に発揮し、社会貢献しながら業界ナンバーワンをこれから皆で目指していこう」と呼び掛けた。その後、全役員が紹介され、8月1日付の辞令が小野社長から交付された。

 日綜産業は今後、(1)先行床施工式フロア型システム吊り足場「クイックデッキ」(2)法面(3)鉄道(4)プラント(5)河川(6)橋梁保全(7)特販(8)工事請負―の全8事業で営業、新製品開発を推進していく。特に工事請負事業については、材工業者の新規開拓や地方事業者との連携・タイアップなどに注力。今期から来期にかけて事業基盤を整備する。

 組織面では今年7月、「公共インフラメンテナンス安全足場工法室」を新設。工事発注者や設計会社など川上営業に注力し、設計織り込みの物件受注を狙っていく。

 小野社長の挨拶の後、日綜産業とクイックデッキ事業で提携関係にある世界最大手の仮設工事会社であるブランド・セーフウェイ社(本社・米ジョージア州)のビル・ヘイズ社長兼CEOが登壇。「日綜産業の優れた販売力、マーケティング力、技術開発力はビジネスパートナーして頼もしい限り。人と安全に対する考え方は我々も大いに学ぶことがある。今後も互いに切磋琢磨して新たな可能性を模索し、末永くパートナー関係を継続できればと思っている」と祝辞を述べた。小野大社長とがっちり握手を交わした後、ビル社長から記念のトロフィーが贈呈された。

 記念式典の終了後は、場所を移して記念パーティーを開催。ハワイアンダンスや事業所ごと全10チームによる余興パフォーマンスなどで盛り上がった。

 参加者は記念式典を開催した29日を挟んで2班に分かれて現地に滞在した。1班は27~28日、2班は30~31日に2日間ずつオプションツアー日を設置。各々ハワイを満喫し、「メンテナンス足場業界ナンバーワン」達成に向けた英気を養った。(ハワイ・ホノルル発=後藤隆博)

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