アミタ、社員向け「あみ電手当」で再エネを推進

環境デザイン事業などを手がけるアミタグループ(本部京都)は8月9日、再生可能エネルギーへの電力切り替えを推進する「あみ電手当」を開始したと発表した。社員およびその父母、配偶者、子の家族の自宅で、再エネ比率の高い指定電力会社に契約を切り替えた場合、毎月200円の手当を支給する制度で、日本初の試みだ。さらに同社では4つの事業所の使用電力も切り替えを決めるなど、事業活動を通じた再エネ推進にも力を入れている。(オルタナ編集部=堀理雄)

今年2月に内閣府が実施した調査「電力・ガス小売自由化に関する消費者の意識について」によれば、2016年の電力自由化以降、電力会社や料金プランを切り替えた人は18%。徐々に高くなってはいるが、まだ切り替えの検討もしていないという人が多数を占める状況は変わっていない。

再エネへの電力契約切り替えを推進するため同社が指定した電力会社は現在、みんな電力(東京・世田谷)と自然電力(福岡市)の2社。2社ともに、電源に占める再エネ由来のFIT(固定価格買い取り制度)電気の比率が高く、切り替えを進めることで再エネの推進やCO2排出削減に結び付く仕組みだ。指定電力会社は年に1度、追加や見直しを実施する。

手当は一世帯ごとに毎月200円が支給される。指定電力会社の登録フォームから申し込み、社員の給与と合わせて支給される仕組みだ。制度は7月から開始されており、実際に切り替えを行った社員からは「日常的に無理せず出来ることがあればと切り替えを決めた。思ったより手続きも簡単で、自分で電気を選べるということをたくさんの人に知ってほしい」といった声が寄せられている。

同社経営戦略グループ共感資本チームの担当者は、「小さい取り組みではあるが、これがきっかけとなり、ライフスタイルを通じて環境への配慮や社会課題に少しでも貢献する取り組みが、色々な企業や組織でも増えていってほしい」と話している。「あみ電手当」は「あたらしい みらいのための 電力手当」の頭文字をとった。

さらにアミタグループは、リサイクル事業を行う国内事業所とオフィスの計4つの拠点の使用電力を、今年8月から10月にかけて、みんな電力が提供する再エネ由来のFIT電気比率が高い電力に切り替えることを決めている。このことにより、年間145万7千キロワット時の電力が再エネ由来のFIT電気に切り替わると試算している。

「持続可能社会の実現」をミッションに掲げる同社では、提供するサービスだけでなく自社の事業活動、社員や家族の日常の生活を通じて持続可能社会を目指し行動できる環境づくりに力を入れている。

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