島原の湧水地「われん川」で乾杯! にぎわい願いイベント

 雲仙・普賢岳噴火災害で被災した島原市鎌田町の湧水地「われん川」で、「MIZCAN sunny day」があり、水にちなみ青色の服や帽子などを身に着けた関係者ら約40人が、かつてのにぎわいが戻ることを願い、各自持参した飲み物で乾杯した。
 主催した国土交通省雲仙復興事務所によると、日本の水辺の新しい活用の可能性を創造していく同省の「ミズベリングプロジェクト」の一環。2015年度から全国各地で毎年7月7日(川の日)に実施している。同事務所では昨年も計画したが、台風や豪雨で中止。ことしも大雨で順延となり、今月7日が初の取り組みとなった。
 地元住民らによると、安中地区にあるわれん川一帯は住宅地で、日本酒や焼酎の醸造元などもあったが、1991年6月30日の大規模な土石流で被災し、かつての営みは跡形もない惨状となった。埋もれたわれん川の湧き水は止まることなく、2000年11月、住民ら官民一体となって再整備、復活させたという。現在、一帯は導流堤で囲まれ、ランニングコースが整備されている。
 イベントでは、田村毅所長が「地域の方々をはじめ多くの人たちが訪れ、にぎわうことを願う」とあいさつ。参加者は被災前の様子を伝える案内板や残った石垣の一部に目をやり、かつてのにぎわいに思いをはせた。

われん川を囲み、乾杯する参加者=島原市鎌田町

© 株式会社長崎新聞社