【国内鋼材消費、製造業向け比率64%台に上昇】自動車向け、下期にかけさらに増加 上期トータル3110万トン超へ

 高炉メーカーの推計によると、国内鋼材消費に占める製造業向け比率は、今年度上期(4~9月)は64・2%となり、前年度上期実績(63・8%)、下期実績(63・9%)を上回る見通しだ。中でも自動車向けが堅調に推移しており、季節要因で前年度下期(普通鋼のみで571万トン)は下回るものの、前年度上期(同550万トン)を上回る見込み。産業機械や電気機械分野向けも前年度上期を上回る見通し。唯一下回るのは造船向けだが、減少幅は小幅(約5万トン)にとどまりそうだ。

 上半期の国内鋼材消費は、普通鋼が2458万トン、特殊鋼が656万トンで、計3114万トンとなる見通し。四半期別では4~6月が1537万トン、7~9月が1577万トンと増加トレンドになっている。昨17年度の国内鋼材消費は上期が3103万トン(普通鋼2457万トン、特殊鋼646万トン)、下期が3168万トン(普通鋼2513万トン、特殊鋼654万トン)で、通期6271万トンだった。

 自動車向けは、昨17年度の国内完成車生産台数は968万台だったが、今年度は970万台を超える勢い。上期見込みは475万台(4~6月実績は232万台)となっている。自動車メーカー各社の今年度生産計画値の積み上げは990万台レベルとなっており、上振れの可能性もありそうだ。

 国内向け販売が比較的堅調なことに加え、完成車の輸出台数も増えている。昨年度実績は上期231万台、下期248万台で通期479万台だったが、今年度上期は239万台の見通し。加えて海外生産増加に伴うKD(ノックダウン)輸出が増えており、自動車鋼材の需要は高止まりが続いている。

 前年度比で需要が減少する造船向けだが、新造船起工量を見ると前年度が1209万グロストン(上期609万グロストン、下期600万グロストン)だったものが、今年度上期は600万グロストンの予想となっており、減少幅については限定的にとどまる。

© 株式会社鉄鋼新聞社