<柳美里さん>書店第2幕へ トークイベント一区切り、改装しカフェ併設 9月には演劇公演

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震災や人生観についてトークを交わす柳さん(右)と佐伯さん

 芥川賞作家の柳美里さんが南相馬市小高区に今春開いた書店「フルハウス」で11日、仙台市在住の作家佐伯一麦さんとのトークイベントがあった。開店以来のトーク相手は計13人。作家と近距離で向き合える場を多くのファンが楽しんだ。書店は今後、改装に入り、カフェを併設。9月の演劇公演で第2幕が開く。

 フルハウスは4月9日、東京電力福島第1原発事故の旧避難区域の小高区に移り住んだ柳さんの自宅の一部を改装してオープンした。トークイベントはほぼ毎週土曜日、中村文則さんや角田光代さんら知人作家を招き、書店裏のスペースで続けてきた。

 改装前の区切りとなった11日の催しには、約20人が集まった。佐伯さんは震災から4年を経た日常を描いた自著「空にみずうみ」から3幕を朗読した。

 作品について、柳さんは「震災で大きな話ばかり取り上げられたことに抵抗があったのでは」と質問。佐伯さんは「震災や(原発事故後の)福島は、行き着く先に行っていないのに見たことにしたり、政治も幼稚化したりした。絶望を見据えることが希望につながる」などと語った。

 4カ月間のトークイベントを終え、柳さんは取材に「作家が自著を朗読する場は、日本にはあまりない。それぞれの肉声があり世界がある。新鮮で楽しんでもらえたと思う」と話した。

 フルハウスでは9月14~17日、柳さんが10代で結成した劇団「青春五月党」の復活公演がある。書店は9月中旬からカフェ併設と書店拡張の工事に入り、11月中旬まで休業となる。