夢へ走る力を共に 義肢装具士・臼井二美男さん

日本の義足製作の第一人者として、臼井二美男さんはパラリンピックで数々のメダル獲得に貢献してきた。

この世界に入ったきっかけは、中学生時代の担任教諭が義足だったこと。20代後半、自分の進路を決めあぐねていた時期に恩師のことを思い出し、義肢装具士の世界に飛びんだ。

1989年からスポーツの義足作りに取り組み、2001年シドニーパラリンピックから日本代表のメカニックとして同行。

臼井さんは一人一人に合った義足を、何度も何度も話し合いながらタッグを組んで作り上げていく。ユーザーによって感覚も好みも違い、その人の一番を作り上げていくことは容易なことではない。それでも、ミリ単位の調整を何度も繰り返し、最高のパフォーマンスができるようにサポートしてきた。

そして、アスリートではない義足ユーザーにも”再び走れる喜び“を知ってもらうため、1991年にパラ陸上クラブチーム「ヘルスエンジェルス」を創設。現在は「スタートラインTokyo」に改名し、義足で走るための練習会を続けている。参加者の中には、たったの5歩でも走れたことに涙する人も。

臼井さんは、努力を積み重ねることによって「できない、あきらめる、見ているだけにしよう」という気持ちを、「何でも挑戦してみよう」という“生きる”エネルギーに変えてほしいと願う。62歳になった今も「挑戦する気持ち」を忘れず、義足を作り続けている。


臼井二美男(うすい・ふみお)

臼井二美男さん (義肢装具士)

1955年8月28日生まれ 62歳 群馬県出身

(公財)鉄道弘済会 義肢装具サポートセンター所属

2000年シドニー、04年アテネパラリンピック日本代表専任メカニック。数多くのパラアスリートの義足を製作する、スポーツ義足づくりの第一人者。通常義足でもマタニティ、バイク、ファッションショー用など、これまで誰も作らなかった義足を開発。必要としている人のために、日々研究、開発、製作に尽力している。

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