ホンダ、アロンソのインディカー参戦を歓迎。「実現するならシリーズにとってもチームにとっても素晴らしいこと」とHPD社長

 フェルナンド・アロンソが9月にインディカーのテストを行うという報道がなされるなか、アメリカでのレース活動を行うホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)の社長アート・セントシアー氏が、アロンソがインディカーに参戦するなら歓迎するとのコメントを発表した。

 アロンソは2019年にはF1活動を行わないことを決定、新しいチャレンジに立ち向かっていくと述べているが、具体的なプランについては明らかになっていない。しかし、世界三大レース制覇を目標として掲げるアロンソにとって、インディカーフル参戦は明らかにひとつの選択肢であると考えられている。F1モナコGP、ル・マン24時間レースで勝利を収めたアロンソにとって、残るターゲットはインディ500の優勝のみだからだ。

 そんななか、アロンソは9月にインディカーのテストを行うとアメリカメディアが報じた。アロンソは9月5日、ホンダエンジンを搭載するアンドレッティ・オートスポートのダラーラDW12をロードコースであるバーバー・モータースポーツ・パークで走らせるものとみられており、前日にシート合わせが行われる見込みであると、RACERは報じている。

 こういった一連の流れを受けて、セントシアーHPD社長が、アロンソがインディカーに参戦するなら喜ばしいことであるとのコメントを発表した。

「フェルナンド・アロンソは、今の世代のレーシングドライバーのトップのひとりだ。2017年のインディアナポリス500で彼と共に働き、非常に素晴らしい時を過ごした」とセントシアーHPD社長。

「彼は最初から高い競争力を発揮する力があることを示した。F1キャリアの後、インディカーでフルタイムで走ることを決心するなら、インディカーにとって素晴らしいことだ。アロンソをドライバーとして起用することは、どのチーム、どのマニュファクチャラーにとっても大きなメリットになる」

■ホンダはアロンソは歓迎も、マクラーレンとの契約には難色か

 アロンソはマクラーレンの支援の下、インディカーに参戦するかもしれない。その場合、マクラーレンの提携先としては2017年インディ500で組んだアンドレッティ・オートスポートが有力候補だが、アンドレッティはホンダとのエンジン契約を結んでいる。マクラーレンとホンダは2015年からF1でともに戦ったものの、低迷から抜け出すことができないまま、2017年末で契約を打ち切った経緯があり、インディカーで再び手を組むことについては疑問視されている。

 セントシアーHPD社長は、2019年のエンジン契約について次のように語っている。

「エンジンリース契約はHPDと各チームとの間で結んでいる。インディカーシリーズで現在提携するいくつかのチームは、2019年に向けてHPDとすでに合意しており、我々は、提携する全チームにパワーがあり信頼性の高いエンジンを供給するため、年間通してほぼ最大限のキャパシティを使って対応している。現在契約しているチーム、そして今後契約するチームと2019年に向けた交渉も行ってきており、それは現在も継続している」

 アメリカのメディアRACERの報道では、マクラーレンのCEOザック・ブラウンは、アロンソの2019年インディカー フル参戦の実現のため、数カ月にわたってアンドレッティと交渉しているが、ホンダ本社はアロンソと再び組むことは問題視していないものの、マクラーレンとの提携には否定的であるという。

 そのため、アンドレッティはシボレーエンジンを使うハーディング・レーシングと契約し、ここをマクラーレンとアロンソの活動の場とすることも検討していると同誌は伝えている。

© 株式会社三栄