「老化」酵素、骨形成に関連 骨粗しょう症の薬開発へ道 熊本大の研究グループ解明

 熊本大大学院生命科学研究部の吉澤達也准教授、山縣和也教授らの研究グループは、老化に関連する酵素「サーチュイン(SIRT)7」が、骨形成に関連するメカニズムを解明した。老化に伴う骨粗しょう症の治療薬開発につながる可能性があるという。

 骨組織は毎日壊れて吸収され、新たに形成されるサイクルを繰り返す。吸収が形成を上回ると、骨密度が低下し折れやすくなり、骨粗しょう症につながる。

 研究チームは、老化や代謝、がんなどに関連する酵素SIRT7に着目。遺伝子操作でSIRT7をなくしたマウスでは、腰椎の骨の量が通常に比べ約3割少なかった。骨ができる速度も、1日当たりで4割減少していた。

 高齢なマウスほど、骨を作る骨芽細胞内のSIRT7の発現量が減少。SIRT7が十分に働かないと、骨芽細胞内で骨形成にかかわるタンパク質オステリックスの働きも弱まることも突き止めた。

 骨粗しょう症の国内患者数は約1300万人。転倒による骨折は、高齢者が要介護や要支援になる原因の一つとされる。吉澤准教授は「超高齢化社会の重要な課題。骨をつくる薬は限られており、骨再生の治療薬開発につなげたい」としている。

 論文は7月、英科学誌に掲載された。(林田賢一郎)

(2018年8月17日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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