サザエ43個、1時間で密漁 前横須賀市長を書類送検

 神奈川県三浦市内の海岸で貝を密漁したとして、三崎署から任意で事情を聴かれていた前横須賀市長の吉田雄人氏(42)が当日、知人男性と、1時間ほどでサザエ43個を採取していたことが17日、署への取材で分かった。

 署は同日、漁業法違反(漁業権の侵害)と県海面漁業調整規則違反の疑いで、2人を書類送検した。

 書類送検容疑は、2人は共謀し7月3日午後、三浦市の横堀海岸で、許可なくサザエ43個を道具を使って採取した、としている。署によると、吉田氏は容疑を認め、「自分や家族で食べようと思った。採ってはいけないことは知っていた。軽率な行動で反省している」と話している。

 署によると、漁協関係者からの通報を受けて駆け付けた署員が、2人がサザエを密漁したことを確認した。吉田氏は沖合10メートル付近で、水中メガネやドライバーを使い、素潜りで採取していたという。

 吉田氏は密漁の疑いがあることを一部報道された7月20日、自身のウェブサイトで「友人の誘いを受けて海へ行く途中に網とドライバーを購入し、1時間ほど海の中に入りサザエを捕まえた」と釈明。書類送検された17日には「水産資源の回復と漁業の振興に取り組む皆さんの思いを傷つけるものであったと反省している」と記した。

 吉田氏は横須賀市議を経て、2009年から市長を2期務めた。昨年6月の市長選で落選した。

前横須賀市長の吉田雄人氏=2017年2月

© 株式会社神奈川新聞社