台風12号、県内被害1億円超 港湾施設や防波堤が損壊

 相模湾西部の沿岸地域に打撃を与えた台風12号の被害総額が、少なくとも1億円以上に上ることが17日、分かった。県や関係市町が現時点で把握しているだけで高波や高潮による港湾施設の損壊、防波堤の破損などが多数発生。詳細な被害状況が不明なケースもまだあり、被害額はさらに膨らむ可能性があるという。

 県が同日正午現在で把握している被害状況をとりまとめた。港湾管理事務所や倉庫などが損壊した真鶴港(真鶴町)では、復旧に要する金額として1億500万円を計上。漁港関係では小田原、真鶴、湯河原の3市町の6漁港で防波堤・岸壁の破損、土砂などの漂着があり、約380万円に上った。

 水産業では詳細な被害額は不明ながら現時点で3市町と三浦市の漁船14隻のほか、定置網、倉庫などにも被害が発生した。

 建物被害では真鶴町で住宅1棟の半壊、湯河原町で海の家12棟の全壊に加え、新たに小田原市で海の家1棟の全壊、2棟の半壊が確認された。また、負傷者は計11人に上り、うち7人が同市の国道135号を襲った高波の影響で、いずれも軽傷だった。県は被災状況を確認するとともに、詳細な被災額の試算を進めている。

台風12号の高波や高潮で被害を受けた湯河原町の海水浴場=7月30日

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