最低でも月収74.6万円。47都道府県の議員給与ランキング

有権者によって選出され、国民・都道府県民などに密接に関わり、国や地方自治体における問題解決などの業務を担う議員。
重要な役割を果たす立場にいるだけに、その報酬は「さぞかし高額だろう」と想像する人も少なくないはず。そこで、今回は、特に身近な存在である「47都道府県議会の議員報酬額」について調査し、その額と成果の妥当性について考えてみました。

議員報酬はどのように決められるのか?

「議会の議員に対し、議員報酬を支給しなければならない」

地方自治法の中には、議員報酬に関するこのような規定があり、サラリーマンのように「給与」としてではなく、仕事への対価として「報酬」が支払われています。そのため、年齢・議員在籍年数に関係なく、各都道府県議会の規定報酬額が支払われます。
実際の額を見てみると、各都道府県によって金額が異なっていますが、これらはそれぞれの仕事量、質、貢献度などを鑑みたうえで決められた報酬かと思いきや、議員報酬は、基本的に次のような方法で定められています。

学識経験者などで構成される特別職報酬等審議会に諮問。その結果得られた答申をもとに条例化する

この特別職報酬等審議会では、よく似ている他自治体の議員報酬、首長などの給与から弾き出されているといわれています。つまり、都道府県ごとに報酬額が異なる理由は、明確にされていないということになります。
なお、議員報酬は「給与」ではないため、基本的に兼業が認められています。

47都道府県の議会議員報酬額ランキング!

議員報酬ランキングワースト1は「山形県(74.6万円/月)」。その後に沖縄県、島根県、佐賀県、鳥取県と続きます。

議員報酬のBEST20都道府県はここだ!

トップは、東京都で、唯一100万円/月を超える金額となっており、2位愛知県、3位神奈川県、4位京都府、5位埼玉県と続きます。人口も多い都道府県がランクインしています。

なお、参考までに平成28年度の都道府県別歳入額を見ると、上位5位は東京都、大阪府、北海道、愛知県、福島県となり、議員報酬額のトップ5と一致はしていないものの、トップ10以内に入っている自治体と重なっていることが分かります。
このことから、ひとつの見方として、各都道府県の財政状況がよくなるほど議員報酬額も高くなる傾向にあると言えそうです。

都道府県ごとに異なる議員報酬の格差

1位の東京都の議員報酬は102.2万円/月。最下位である山形県の議員報酬額は74.6万円/月。その差額は27.6万円/月となり、1年に換算すると331.2万円もの差が生じています。

都道府県ごとに人口や自治体の規模によっては、議員に課せられた仕事量や質、責任の重さに違いがあるとはいえ、この差額と同等の差があるのかどうかは、証明しづらいところではないでしょうか。ある程度、自治体の歳入に比例する見方はできますが、明確な基準がない今の報酬規程が、都道府県民にとって納得のいくものであるかどうかは議論を深める必要があるかもしれません。

一般の平均所得と比べて高いの?

都道府県ごとに開きのある議員報酬ですが、一人当たりの「都道府県民所得額」との違いがどれくらいなのか、比較してみました。

県民所得額のベスト5は、東京都37.6万円/月、愛知県29.3万円/月、静岡県26.8万円/月、栃木県26.7万円/月、富山県26.5万円/月。ワースト3は、沖縄県17.7万円/月、鳥取県19.4万円/月、長崎県19.6万円/月となっています。

議員報酬、県民所得ともにトップとなった東京都における、両金額の差は64.6万円/月。議員報酬最下位の山形県と県民所得最下位の沖縄県の差額を見ても、56.8万円/月となっています。重大な任務と重い責任を背負った職として妥当な金額であったとしても、一般庶民の目には“高額報酬”と映るのではないでしょうか。
適切な人材が議員として選出されるためにも、有権者全員が真剣に考えて選挙で投票することが重要です。

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