パ・リーグの“不敗神話”は誰だ! 一発を打てば負けない勝利を呼ぶ男たち

日本ハム・西川遥輝【写真:石川加奈子】

日本ハム西川、清水、西武・栗山は一発を打てばチーム全勝

「●●選手がホームランを打ったら負けない」という“不敗神話”は、プロ野球の世界においてこれまで幾度となく生み出されてきた。今季のパ・リーグもその例外ではなく、現在3人の選手が同様の「神話」を持っているようだ。そこで、今回はパ・リーグ6球団に所属している選手の本塁打とチーム成績の相関関係について、特筆すべき結果を残している選手たちを紹介していきたい。

 日本ハムの西川遥輝外野手は今季9本塁打を放っているが、同選手がホームランを記録した試合でチームは9戦全勝。リードオフマンとしてチームを勢いづける役割を果たしていると言えそうだ。また、同僚の清水選手も今季6本塁打とサンプル数は少ないものの、同じく一発を放った5試合(1試合2発含む)ですべて勝利と「不敗神話」を継続中。扇の要を担う機会も多い伏兵の一打は、チームにとっても小さくない意味を持っているようだ。

 また、西武の栗山巧外野手も「不敗神話」を保っている選手のひとりで、今季本塁打を放った5試合すべてでチームが勝利を収めている。今季はまだ5本塁打とその本領を発揮しきれてはいないが、経験豊富なベテランの存在は首位を走るチームにとっても頼もしいものとなっているのかもしれない。

 その他にも、無敗とまではいかずとも、本塁打を放った試合の多くでチームが勝利を収めているスラッガーも少なくはない。西武の4番・山川穂高は、自身が本塁打を放った試合でチームは22勝1分8敗とその多くを白星に結びつけており、日本ハムのレアード内野手(16勝6敗)とソフトバンクの柳田悠岐外野手(17勝1分6敗)も、一発を放った試合では高い割合で所属チームを勝利へと導いている。

ホームランで勝利を呼び込む打者たち

 オリックスのロメロ選手(10勝3分4敗)は引き分けがやや多くなっているが、本塁打を放った17試合でわずか4敗と、チームを救う一発が多くなっていることがうかがえる。意外なところでは西武の秋山翔吾外野手が13勝3敗と好相性で、こちらも日本ハム・西川と同様に核弾頭としてチームを力強くけん引している。

 一方、先述の選手たちとは逆に、本塁打を放った試合の多くでチームが試合に敗れてしまっている選手も存在する。ロッテの井上晴哉内野手は今季19本塁打を記録しているが、同選手がアーチを描いた試合でチームは6勝2分9敗。その多くが「空砲」となってしまっている。

 ここで比較のため、ロッテ・井上と同数となる19本以上の本塁打を記録している選手が本塁打を放った試合での勝率を個別に見ていきたい。(既に成績が記事中に記載されている選手たちはリストから除外)

日本ハム・中田翔 13勝7敗
楽天・アマダー 10勝7敗
西武・浅村栄斗 14勝6敗
西武・中村剛也 9勝1分8敗
オリックス・吉田正尚 11勝8敗
ソフトバンク・デスパイネ 13勝1分10敗
ソフトバンク・松田宣浩 13勝8敗

 以上のように、井上以外の全ての選手が勝ち越しを作っているという結果に。自身の活躍がなかなか投手陣とかみ合わずに不運な試合結果となるケースが多い井上だが、シーズン終盤にはこれまで以上に重要となる場面で豪快な一発を放ち、勝敗の収支を「プラス」へと持っていくことができるだろうか。

 このように、本塁打を放った試合の多くでチームが勝利を収めるという、ある種の縁起の良さを感じさせる選手は少なからず存在している。1つ1つの白星がこれまで以上に重要なものとなってくるシーズン終盤戦、これらの「不敗神話」が続くかどうかに今一度注目してみてはいかがだろうか。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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