【野球U-15W杯】侍U-15、地元パナマに満弾浴び逆転負け 清水監督「堂々と投げてくれた」

開催国パナマに惜敗したU-15日本代表【写真:Getty Images】

初回に2点を先制したがその裏に満塁アーチ浴び逆転許す

 パナマで開催されている野球の15歳以下の世界一を決める「第4回WBSC U-15ワールドカップ」のスーパーラウンド第2戦が17日(日本時間18日)行われ、日本は3ー7で地元パナマに逆転負けを喫した。約5000人の大観衆の中、完全アウェーの雰囲気をはね返せず。初回に2点を先制したが、その裏に浴びた満塁弾が最後まで尾を引いた。これで日本の成績は、オープニングラウンドの結果も加え、2勝2敗となった。

 パナマ国旗がスタンドのいたるところで振られ、ストライクが入るたびに大歓声に包まれた球場。これまでは閑古鳥が鳴くスタンドでの試合が続いていたが、この日は違った。勝った方が決勝進出に大きく近づく、互いに負けられない一戦。だが、太鼓やホーンの音が鳴り響く中、地元ファンの声援が最後まで日本に重くのしかかった。

 先制したのは日本だった。初回、先頭の花田旭外野手(西淀ボーイズ)が右前打で出塁し、盗塁と相手のエラーで三塁に進塁すると、体調不良の坂玲哉捕手(湖南ボーイズ)に代わってこの日初めて先発マスクを被った2番・福原聖矢捕手(安仁屋ヤングスピリッツ)の三ゴロで先制のホームイン。相手三塁手の送球が花田の背中に当たり、ボールが転がる間に福原は二塁に進塁し、続く内山陽斗内野手(羽曳野ボーイズ)の二失の間に一気に生還。日本が早々と試合の主導権を握ったかに見えた。

 だが、すぐに地元パナマの大声援に飲み込まれた。その裏、先発左腕・秋山恭平投手(筑後サザンボーイズ)が四球と安打、味方の失策で1死満塁のピンチを招くと、5番打者に内角高め直球を捉えられ、左翼席へグランドスラムを献上。観客は総立ちとなり、球場の雰囲気は一気にパナマ一色へと様変わりした。

地元パナマの大声援に清水監督「こういう雰囲気は始まる前から分かっていた」

 日本は3回に小畠一心外野手(オール住之江ヤング)の左前適時打で1点差に迫ったが、5回に2番手・畔柳亨丞投手(SASUKE名古屋ヤング)がピンチで連打を許すなどし、3点を献上。打線は結局パナマ投手陣の前にわずか2安打に抑えられ、中盤以降は反撃の糸口をつかめなかった。

 清水監督は「先制はできたが、その後、なかなか流れを持ってこれなかった。いい当たりもあったが、相手の好プレーに阻まれた」とサバサバした表情。完全アウェーの中での試合となったが「こういう雰囲気は始まる前から分かっていたこと」と話し「(秋山は)立ち上がりは失点したが、その後は相手打線に臆することなく堂々と投げてくれた」と、先発左腕をねぎらった。

 左翼を守る主将の池田陵真捕手(忠岡ボーイズ)は「(相手投手は)打ちにくい感じではなかったが、僕たちの集中力がまだまだ足りていなかった。あの雰囲気に飲み込まれたのは僕たちの責任。いつもと違ったが、それも対応していかないといけない。負けは負けで、この負けを次に生かしたい」と唇を噛みしめ「パナマとは決勝でもう1度当たる可能性もあるので、飲み込まれないようにチーム全員で意識してやっていきたい」とリベンジを誓った。

 これで17日を終えてのスーパーラウンドの成績(グループラウンドを突破した同組チームとの対戦成績も含む)は、米国、パナマが3勝1敗、日本とキューバが2勝2敗、台湾とドミニカ共和国が1勝3敗となった。日本は明日18日(日本時間19日)の米国戦に勝てば、他の2試合の結果次第で決勝進出の可能性が残されており、明日の米国戦に全力を注ぐ。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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