【高校野球】金足農が逆転スクイズで劇的勝利 大阪桐蔭は11得点の横綱相撲でベスト4へ

大会14日目、準々決勝4試合の結果

済美は報徳学園を振り切って4強入り、日大三は8回裏の3点で逆転勝利

 第100回全国高等学校野球選手権記念大会第14日は18日、準々決勝4試合を行った。第1試合では、大阪桐蔭(北大阪)が、プロ注目コンビの根尾、藤原のアベック弾など4発で浦和学院(南埼玉)を11-2と圧倒。藤原は2発を含む4安打5打点と大爆発し、史上初2回目の春夏連覇へまた一歩近づいた。

 第2試合以降はすべて3-2という同じスコアの大接戦となり、済美(愛媛)は報徳学園(東兵庫)のプロ注目遊撃手・小園を無安打に封じ込め、その小園のエラーから奪った3点目を決勝点に報徳学園の追い上げをかわして逃げ切り勝ち。日大三(西東京)は下関国際(山口)のエース・鶴田に7回2死まで無安打と苦しみながら、8回に集中打で3点を挙げて逆転勝ちした。金足農(秋田)は、エース吉田がこの日も140球を投げて10Kを奪い、1-2の土壇場9回裏に2ランスクイズで劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めた。

 19日は休養日で試合は行われず、準決勝は20日に金足農-日大三、済美-大阪桐蔭の組み合わせで行われる。

〇大阪桐蔭(北大阪)11-2浦和学院(南埼玉)

 大阪桐蔭は根尾の今大会2本目となる先制ソロ本塁打などで5回までに3点を奪い、1点差に迫られた6回には青地、中川、藤原の3連続適時打などで6点を加えて勝利を決定づけた。浦和学院は頼みの渡辺が3発を浴び5失点。継投した永島、河北も大阪桐蔭の勢いを止められず、格の差を見せつけられた。

〇済美(愛媛)3-2報徳学園(東兵庫)

 済美は1回に2死二塁から池内の適時打で先制すると、同点の5回には1死満塁から芦谷の適時打で勝ち越し。9回にも、敵失から2死二塁として芦谷が追加点の中前適時打を放った。報徳学園も9回、無死二、三塁と反撃機を作ったが、内野ゴロの間に1点を返すにとどまった。惜しまれるのは6回。先頭の長尾が安打を放ちながら二塁を狙ってアウト。その後の1死二塁では、投ゴロで走者が飛び出してしまい、走塁ミスでチャンスを潰した。

〇日大三(西東京)3-2下関国際(山口)

 7回2死まで無安打だった日大三は8回、先頭の飯村の中前打から3連打で2-2と追いつくと、2死三塁から日置の一塁手のミットを弾いて右前に転がる強襲安打で勝ち越した。先発の中村は制球を乱して2回までに4四球を与えたが、この日も2番手の左腕・河村が7回10奪三振の好救援。1回に捕手の佐藤英が二盗を試みた走者を2度刺し、2回も2死満塁から先制適時打を許したものの、バックホームで二塁走者を刺すなど、余計な点をやらず最少失点に食い止めた守りも光った。

〇金足農(秋田)3-2近江(滋賀)

 金足農は5回の1死三塁でも同点のスクイズを決めたが、3球目に一度ファウルになった後、2球続けてのスクイズで成功。9回の2ランスクイズも含めこの日も3犠打を決め、自分たちのスタイルを貫いた。金足農・吉田は、6回に近江の4番・北村に勝ち越し適時打を許した後、続く有馬の送りバントが小飛球になった際、わざと捕らずに地面に落として二塁に送球して併殺を取るなど冷静さを失わず、最後の劇的な幕切れにつなげた。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2