WEC:初優勝狙う7号車トヨタが2018/19年初ポール。8号車2番手でトヨタがフロントロウ独占

 WEC世界耐久選手権は8月18日、イギリス・シルバーストンで第3戦シルバーストンの予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racingのマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ-マリア・ロペス組7号車トヨタTS050ハイブリッドがポールポジションを獲得した。

 フェルナンド・アロンソ駆る8号車トヨタTS050ハイブリッドがファステストラップを記録した18日午前のフリープラクティス3回目に続いて、現地12時から行われた公式予選は気温18度、路面温度19度、イギリスらしい曇り空の下でGTEクラスからスタート。総合ポールポジションを決めるLMPクラスの予選はそこから25分後の12時25分にセッションスタートとなった。
 
 この予選にLMP1クラスは、FP1での大クラッシュによってFP2出走が叶わなかったレベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソン、同じくFP1でエンジンブローに見舞わたバイコレス・レーシング・チームの4号車ENSO CLM P1/01・ニスモを含む全8台が出走を果たしている。
 
 20分間で争われる予選セッションでは、まず8号車トヨタのアロンソが最初にアタックに入り1分36秒789というターゲットタイムを作る。これを僚友7号車トヨタを駆るコンウェイが1分36秒769で破ると、2台はピットに戻りそれぞれふたり目のドライバーにバトンをつないでいく。

2番手スタートとなった8号車トヨタTS050ハイブリッド

 
 8号車トヨタのセカンドアタッカーとしてアロンソの後を受けた中嶋一貴だったが、計測1周目はトラフィックに引っかかったのか途中でアタックを中断。その間に7号車トヨタのロペスは1分37秒021を記録し、アベレージタイムを1分36秒895にまとめてみせた。
 
 改めてアタックに入った一貴はその後、1分37秒後半のタイムに留まり7号車トヨタを逆転とはならず。今季2度ポール・トゥ・ウインを飾っている8号車トヨタは総合2番手からのスタートとなった。
 
 トヨタの2台に次ぐ総合3番手、4番手にはSMPレーシングのBRエンジニアリングBR1・AER勢が続いた。この2台はセッション前半まで17号車、11号車というオーダーだったが、レーシングチーム・ネダーランドの29号車ダラーラP217・ギブソンのスピンによってセッションが赤旗中断となった後の再アタックで、ジェンソン・バトン駆る11号車BR1・AERがプライベーター勢最速タイムとなる1分38秒305を記録し、僚友を逆転している。
 
 総合5番手以下はレベリオンの3号車R13と1号車R13、ドラゴンスピードの10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソン、4号車バイコレスという順位だ。

■GTEプロはフォードとアストンマーチンの一騎打ちか

ピットロード出口に向かうトヨタTS050ハイブリッド
3番手スタートとなった11号車BRエンジニアリングBR1・AER

 LMP2クラスは1分44秒896をマークしたジャッキー・チェン・DCレーシングの37号車と、僚友38号車オレカ07・ギブソンがクラスワン・ツーを達成。これにシグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車アルピーヌA470・ギブソンが続いた。
 
 走行初日からフォード勢が速さを見せているLM-GTEプロクラスでは、やはりそのフォードが他を上回るスピードをみせ、66号車フォードGTがトップに立った。
 
 クラス2番手はは地元ブリティシュメーカーのアストンマーチン・レーシング、97号車アストンマーチン・バンテージAMRがつけ、この2台のみ1分55秒台に入っている。3番手は95号車アストンマーチン、4番手には67号車フォードGTが入り、2メーカーがトップ4を占める結果となった。
 
 LM-GTEアマクラスは56号車ポルシェ911 RSRを走らせるチーム・プロジェクト1がクラスポールポジションを獲得。2、3番手はプロクラスと同様に2台のアストンマーチン・バンテージ勢が続き、決勝での逆転を窺う構えだ。
 
 2017年に、ここシルバーストンでWEC初優勝を飾った澤圭太とクリアウォーター・レーシングはクラス8番手からのスタートに。石川資章率いるMRレーシングの70号車フェラーリ488 GTEは同7番手となっている。
 
 WEC第3戦シルバーストンは8月19日の12時(日本時間8時)に6時間レースのスタートが切られる予定だ。

クリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリ488 GTE
予選中の赤旗原因となった29号車ダラーラ。今戦からヤン・ラマースに代わってニック・デ・フリースがラインアップに加わっている。
77号車ポルシェ911 RSRと81号車BMW M8 GTE

© 株式会社三栄