長崎県新上五島町の特産品、五島うどんの製造販売を手掛ける太田製麺所は、来年で創業100年を迎えるのを前に店舗兼住居をこのほど改修した。店舗スペースを拡大し、五島うどんの試食コーナーも設置。代表の太田充昭さん(40)は「多くの人が集う場として周辺商店街の活性化にもつなげたい」と意気込んでいる。
太田製麺所は1919(大正8)年創業。充昭さんの曽祖父、権次右衛門(ごんじうえもん)さんが息子の直人さんにうどんをねだられることが多く、自前で製造を始めたのが由来。現在は同町内の工場で1日に乾麺約150キロを製造し、町内のほか長崎、福岡両市内などで販売している。
充昭さんは大学卒業後、2000年4月に帰郷。祖父直人さん、父権次さん(71)と製麺所で働き始めた。木造2階建ての店舗兼住居は曽祖父が残してくれた築100年の貴重な建築物で、後世に伝えたいと考えていたという。
改修は長崎歴史文化博物館の設計に携わった建築士の森田健太郎氏が手掛けた。1階の店舗スペースは壁を取り払い、従来の約2倍の約19平方メートルに拡大。2階部分の床を外し、天井が見える吹き抜け構造にした。外観は、うどんを干す様子をイメージした白木の格子を取り付けた。
今後は自社のうどん以外にも五島列島の特産品販売や、住居スペースの一部を開放してひな人形を展示することなども考えている。充昭さんは「さらに100年続く店にしたい。休憩場所が少ない地域でもあるので観光客にも立ち寄ってもらえれば」と話している。
新上五島の太田製麺所 築100年の古民家店舗 改修して店舗スペースを拡大 五島うどん試食コーナーも
- Published
- 2018/08/20 00:03 (JST)
- Updated
- 2018/12/11 11:52 (JST)
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