関西鉄源協、ダライ粉や新断も〝ダスト引き〟対象に 処理費用の負担適正化へ

 関西鉄源協議会(代表幹事・黒川友二扶和メタル会長)は、ダスト処理費用の負担適正化を目指し、ヤードに入荷するダライ粉や新断スクラップについて、原則として入荷重量のそれぞれ2%以上、1%以上をダスト引き(不採用重量)の対象とするとして、会員会社など関係者に通知することを決めた。9月1日から始める。

 同協議会は2017年、ギロチンシャーなどで加工切断処理する際に発生するダスト(産業廃棄物)処理費用の負担適正化をめぐり、重量の3%をダスト引きする枠組みを定めている。

 産業廃棄物は、排出事業者がそれを適切に処理しなければならない「排出事業者責任」がある。しかし、集荷競争の激化に伴い、ヤード業者が産業廃棄物であるダストの処理費用を負担する場合がほとんどで、近年はダスト処理費用の高騰もあり、ヤード経営を圧迫する要因になっていた。

 スクラップに付帯する廃棄物について、業界では「ダスト引き」として買い取り量から、その重量を差し引くのが商習慣上の通例。差し引く重量は持ち込まれるスクラップの状態によって差はあるものの、ギロチン材では3%、ダライ粉や新断でそれぞれ2%、1%とするケースが多い。

 協議会は2000年にもダスト処理費用高騰を理由に、大阪府鉄屑加工処理工業協同組合(現・大阪金属リサイクル工業協同組合)とともに、ギロチン材についてはトン当たり2万円の処理費用を請求するよう決めた。当時は東名阪など全国的に行われ、一時はそれが浸透したが、現在は取引の大部分で処理費用が請求されていないのが現状だ。

 ダスト処理費用の負担適正化を目指し、ギロチン材は17年からダスト引きに取り組み始めたが、今回は工場発生スクラップとなる新断・ダライ粉でもこれを進めていく。

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