再建遅れ、固定資産税増も 「特例」期限切れ迫る 業者不足…延長求める声

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更地や工事中の場所が点在する熊本地震の被害が大きかった熊本市東区の住宅街=17日

 熊本地震で自宅を失い、再建を目指す被災者が来年1月1日までに着工できない場合、2019年度から土地の固定資産税が急に上がる可能性がある。熊本地震についての税制の特例が、18年度で期限切れとなるためだ。年間で数万円から10万円超の負担増となるケースも予想され、熊本県や熊本市は、国に期限延長を要望している。

 地震で自宅が半壊した同市南区の主婦(45)は昨年2月に解体し、約500平方メートルの敷地は更地の状態だ。今春から再建に向けて住宅会社を巡ったが、多くの社から「年内の着工は無理」と言われた。6月、比較的早く着工できる社に決めたが、それでも来年5月ごろになるという。

 主婦は「再建には、ただでさえ資金面などの不安があるのに、着工時期によって支援が打ち切られると、さらに気が重い」と話す。

 18年度で期限切れとなるのは「被災住宅用地特例」。住宅用地は、更地に比べ固定資産税などが優遇され、熊本地震で住宅が壊れたり解体したりした土地も、特例として2年間は住宅が建ったままとみなして税額が抑えられる。

 18年度は熊本市や益城町、御船町など20市町村で適用され、軽減額は計約10億3千万円に上る。各市町村の減った税額分の一部は、国が交付税として手当てしている。

 税制優遇を継続するには基準日(来年1月1日)までに、基礎など住宅の構造物の一部でも再建しておく必要がある。しかし、業者の人手不足から間に合わないケースも多く、被災者アンケートに基づく県の推計では、自宅再建を目指しながら期限切れで税額増となる世帯は2500前後に及ぶとみられる。

 県は、各市町村からの要望を受け、年末の税制改正で期限の延長が認められるよう、8月末の各省庁による概算要求への反映を目指す。県市町村課は「被災者の負担軽減のためにも期限延長を実現したい」としている。(太路秀紀)

(2018年8月20日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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