「九州浮揚に大事」 全線フルで九経連会長 長崎

 九州経済連合会(九経連)長崎地域委員会(委員長・森拓二郎十八銀行頭取)は20日、長崎市内で会合を開き、九経連本部の麻生泰(ゆたか)会長と意見交換した。九州新幹線長崎ルートの全線フル規格による整備に向け支援を求める声が相次ぎ、麻生会長は「九州全体が浮揚するのに非常に大事。ただ長崎と佐賀の調整が必要だ」との見解を示した。
 全線フル化を巡っては、佐賀県内で財源負担増などを理由に慎重・反対論が根強く、長崎経済同友会など本県経済3団体が7月、九経連に協力を要望した。
 麻生会長は「長崎と佐賀の意見のギャップがもう少し埋まらないと、九経連としても調整は難しい。地元の思いをまとめなければ東京(政府与党)にも働き掛けにくい」と指摘した。一方で、福岡空港での訪日観光客受け入れが限界だとして、周辺の空港を活用し九州を周遊させる上でも長崎ルートを重要視。「佐賀県知事選(12月16日投開票)もあって調整には時間がかかるが、なんとか進めたい」と述べた。
 この日は本県の企業や大学のトップら約30人が出席。企業と大学の連携不足の指摘や、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)のハウステンボスへの誘致を目指し九州全体の機運を高める要望などが挙がった。

九経連長崎地域委員会であいさつする麻生会長(中央)=長崎市南山手町、ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒル

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