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音楽メディア、世につれ 「良い曲を」思い変わらず

©株式会社熊本日日新聞社

レコードの魅力を語る「スイートナッシンレコード」店長の福田星次さん=熊本市中央区

 レコードからCD、インターネットでの音楽配信へ-。平成になって30年、音楽を聴くスタイルは劇的な変化を遂げてきた。熊本でも街なかの老舗のレコード店は次々と姿を消したが、「媒体は変わっても、音楽の良さは変わらない」。ファンの思いはいつの世も同じだ。

 「音楽にお金をかける人が少なくなった。苦労して手に入れた曲ほど、感動するんだけどね」。熊本市中央区城東町で中古レコード店「スイートナッシンレコード」を営む福田星次さん(53)は苦笑する。

 店内のレコードは1万枚以上。ビートルズ、ローリング・ストーンズなど1960~90年代のロック系が中心で、CDも扱う。ただ、客は1日10人足らず。中高年男性がほとんどで、20代以下はわずかという。「レコードを買う人も、今はコレクションの側面が大きいんじゃないかな」

 日本レコード協会(東京)によると、アナログディスク(レコード)の生産数は、ピークの76年には約2億枚に達した。だが、平成に入りCDが登場すると、レコード生産は激減。2009年には約10万枚にまで落ち込んだ。ところが、そのCDもこの数年は、音楽ダウンロードサービスに押され、生産数はピークの約4億5千万枚(1998年)の3分の1ほどに低迷している。

 県内では、音楽ファンをリードしてきた下通の老舗「マツモトレコード」が2006年に閉店。外資系の「タワーレコード」も11年に姿を消し、多くのレコード・CD店は郊外に移った。

 熊本で音楽の発信を続けるDJのかなぶんやさん(65)は「地元テレビ局制作の音楽番組が人気を集めるなど、肥後もっこすといわれる熊本人は音楽にもこだわりがあった。ただ最近は時代の流れに沿い、便利さだけを求めているのでは」と残念がる。

 最近、急速に広がりつつあるのは定額制の音楽配信サービスだ。従来の「1曲いくら」で曲を購入するのではなく、定額料金で多ジャンルの曲を好きなだけ聴ける。スマートフォンのアプリで4千万曲以上が聴き放題になる「スポティファイ」など、複数のサービスがしのぎを削る。

 蔦屋書店熊本三年坂(同市中央区安政町)スタッフの吉澤悠史さん(33)も、スポティファイを愛用。「好きな曲の傾向から、お薦めの音楽を紹介してくれる。邦楽、洋楽問わず何でも聴きたい自分にとって、便利で欠かせない」と話す。

 一方、同店ではレコード人気再燃の兆しもあり、数年前から専用コーナーを設置。新曲をカセットで売り出すアーティストも出てくるなど、「アナログ回帰の動きも見られつつある」と吉澤さん。

 「平成は、音楽メディアの大変革の時代だった」とかなぶんやさん。「音楽の聴き方が変わっても、いい音楽は今も昔も変わらない。そんな曲が埋もれないよう、これからも紹介したいね」(臼杵大介)

(2018年8月21日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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