米ハインツが製品の包装をリサイクル可能に アメリカ

米食品大手のクラフト・ハインツはこのほど、2025年までにケチャップなど製品パッケージの包装をすべて、再利用・リサイクル可能、または堆肥化可能なものにすることを明らかにした。この目標に向け、外部の包装技術者や環境団体などと協働し、持続可能なサプライチェーンを推進していく。また同社は温室効果ガス排出削減目標の設定を通じ、低炭素社会への移行も目指していく方針だ。(オルタナ編集部=堀理雄)

同社はこれまでにも、包装の重量を世界で5万トン削減する目標を達成し、また欧州支社では2022年までにトマトケチャップのペットボトルを食品容器に再生できる素材にかえ、循環利用するなどの取り組みを推進している。今回の目標は、そうした取り組みをさらに強化し、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行を進めるものだ。

クラフト・ハインツ社のベルナルド・ヒース最高経営責任者(CEO)は「私たちはまだ目標に向けたすべての答えを持っているわけではないが、将来世代に向けリサイクル率を向上させ、より良い包装に向けた解決の道を見つけていきたい」と述べている。

同社はまた、地球温暖化による世界の平均気温の上昇を2度以下に抑える国際イニシアチブ「SBTi (Science Based Targets initiative)」へ参加し、サプライチェーンでの温室効果ガスの削減目標を設定している。ヒースCEOは「排出量の多くは直営事業以外の領域から発生しており、バリューチェーン全体を見ていく必要がある」と指摘している。

今回の発表は、同社が2017年のCSR報告書で打ち出した持続可能なサプライチェーンに向けた計画「グローイング・ア・ベターワールド」を補完するもの。同計画ではアニマルウェルフェア(動物福祉)や、持続可能なパーム油に向けた取り組み、飢餓への対策などの目標も掲げられている。

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