WECシルバーストン:トヨタ、失格裁定に控訴せず。レベリオンの総合優勝が確定

 8月21日、WEC世界耐久選手権は8月19日に行なわれた2018/19年“スーパーシーズン”第3戦シルバーストン6時間の決勝結果が確定したと発表した。
 
 ル・マン24時間から約2カ月後、イギリス・シルバーストンで開催されたWEC第3戦はフロントロウからスタートしたTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)と8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ組)が順位を入れ替えながら6時間レースをリードし、最終的に8号車トヨタが僚友を破ってトップフィニッシュ。7号車トヨタが2位に入りトヨタがワン・ツー・フィニッシュを達成した。
 
 しかし、トヨタの2台は決勝レース後に行なわれた再車検のなかで、車両底部に備え付けるスキッドブロックがLMP1H車両規定に定められた5mmを超えてたわむことが明らかになり、両車揃ってレースから除外、“失格”という重い処分を受けていた。
 
 この裁定に対してトヨタは今後対応を検討するとしていたが、21日までに控訴を行なわないことを決定。この結果トヨタ勢に次ぐ総合3位でフィニッシュしたレベリオン・レーシングの3号車レベリオンR13・ギブソン(マティアス・ベッシェ/トーマス・ローラン/グスタボ・メネゼス組)が繰り上がりで優勝することとなった。WECでノンハイブリッドマシンが総合優勝したのは『アウディR18ウルトラ』が優勝した2012年第2戦スパ・フランコルシャン以来6年ぶりだ。
 
 総合2位には同じくレベリオンの1号車R13(アンドレ・ロッテラー/ニール・ジャニ組)が入り、5位でチェッカー受けたSMPレーシングの17号車BRエンジニアリングBR1・AERが総合3位となっている。
 
 また、ライドハイトが規定の50mmに対して2mm足りず、2位のリザルトを失うこととなった91号車ポルシェ911 RSR(リチャード・リエツ/ジャンマリア・ブルーニ組)を走らせるポルシェGTチームも、トヨタと同様に裁定を受け入れた。
 
 これによってクラス3位となったフォード・チップ・ガナッシ・チームUKの67号車フォードGT(アンディ・プリオール/ハリー・ティンクネル組)が同2位に繰り上がり、クラス3位は92号車ポルシェ911 RSR(ミハエル・クリステンセン/ケビン・エストーレ組)となっている。

■2018/19年WECスーパーシーズン第3戦シルバーストン 決勝正式結果

繰り上がり優勝が確定した3号車レベリオンR13・ギブソン
トップチェッカー後、スキッドブロック規定違反で失格となった8号車トヨタTS050ハイブリッド

Pos No Class Team Car Driver Tyre Gap

1 3 LMP1 レベリオン・レーシング レベリオンR13・ギブソン T.ローラン
M.ベッシェ
G.メネゼス MI 193 Laps

2 1 LMP1 レベリオン・レーシング レベリオンR13・ギブソン A.ロッテラー
N.ジャニ
B.セナ MI 1 Laps

3 17 LMP1 SMPレーシング BRエンジニアリングBR1・AER S.サラザン
E.オルドジェフ
M.イサーキャン MI 1 Laps

4 38 LMP2 ジャッキー・チェン・DCレーシング オレカ07・ギブソン H-P.タン
G.オブリ
S.リケルミ DL 8 Laps

5 37 LMP2 ジャッキー・チェン・DCレーシング オレカ07・ギブソン J.ジャファー
W.タン
N.ジェフリ DL 8 Laps

6 36 LMP2 シグナテック・アルピーヌ・マットムート アルピーヌA470・ギブソン N.ラピエール
A.ネグラオ
P.ティリエ DL 10 Laps

7 31 LMP2 ドラゴンスピード オレカ07・ギブソン R.ゴンザレス
P.マルドナド
A.デビッドソン MI 12 Laps

8 29 LMP2 レーシングチーム・ネダーランド ダラーラP217・ギブソン F.バン・イアード
G.バン・デル・ガルデ
N.デ・フリース MI 12 Laps

9 50 LMP2 ラルブル・コンペティション リジェJS P217・ギブソン E.クリード
R.リッチ
森義治 MI 17 Laps

10 28 LMP2 TDSレーシング オレカ07・ギブソン F.ペロード
M.バキシビエール
L.デュバル DL 20 Laps

11 51 LM-GTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE EVO A.ピエール・グイディ
J.カラド MI 21 Laps

12 67 LM-GTE Pro フォード・チップ・ガナッシ・チームUK フォードGT A.プリオール
H.ティンクネル MI 21 Laps

13 92 LM-GTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR M.クリステンセン
K.エストーレ MI 21 Laps

14 97 LM-GTE Pro アストンマーチン・レーシング アストンマーチン・バンテージAMR A.リン
M.マルタン MI 22 Laps

15 81 LM-GTE Pro BMWチームMTEK BMW M8 GTE M.トムチェク
N.キャツバーグ MI 22 Laps

16 66 LM-GTE Pro フォード・チップ・ガナッシ・チームUK フォードGT S.ミュッケ
O.プラ MI 23 Laps

17 77 LM-GTE Am デンプシー-プロトン・レーシング ポルシェ911 RSR M.キャンベル
C.リード
J.アンロエア MI 25 Laps

18 90 LM-GTE Am TFスポーツ アストンマーチン・バンテージ S.ヨロック
J.アダム
C.イーストウッド MI 25 Laps

19 56 LM-GTE Am チーム・プロジェクト1 ポルシェ911 RSR J.ベルグマイスター
P.リンゼイ
E.ペルフェッティ MI 25 Laps

20 98 LM-GTE Am アストンマーチン・レーシング アストンマーチン・バンテージ P.ダラ-ラナ
P.ラミー
M.ラウダ MI 25 Laps

21 61 LM-GTE Am クリアウォーター・レーシング フェラーリ488 GTE W-S.モク
澤圭太
M.グリフィン MI 26 Laps

22 86 LM-GTE Am ガルフ・レーシング ポルシェ911 RSR M.ウェインライト
B.バーカー
A.デイビソン MI 26 Laps

23 70 LM-GTE Am MRレーシング フェラーリ488 GTE 石川資章
O.ベレッタ
E.チーバー MI 26 Laps

24 88 LM-GTE Am デンプシー-プロトン・レーシング ポルシェ911 RSR Gia.ローダ
Gio.ローダ
M.カイローリ MI 26 Laps

25 10 LMP1 ドラゴンスピード BRエンジニアリングBR1・ギブソン H.ヘドマン
B.ハンリー
R.バン・デル・ザンデ MI 28 Laps

26 54 LM-GTE Am スピリット・オブ・レース フェラーリ488 GTE T.フロー
F.カステラッチ
G.フィジケラ MI 35 Laps

27 71 LM-GTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE EVO D.リゴン
S.バード MI 36 Laps

28 95 LM-GTE Pro アストンマーチン・レーシング アストンマーチン・バンテージAMR M.ソーレンセン
N.ティーム MI 38 Laps

29 82 LM-GTE Pro BMWチームMTEK BMW M8 GTE A.ファーフス
A.F.ダ・コスタ MI 77 Laps

30 4 LMP1 バイコレス・レーシング・チーム ENSO CLM P1/01・ニスモ O.ウェッブ
R.バインダ MI 134 Laps

31 11 LMP1 SMPレーシング BRエンジニアリングBR1・AER V.ペトロフ
M.アレシン
J.バトン MI 170 Laps

– 8 LMP1 トヨタ・ガズー・レーシング トヨタTS050ハイブリッド S.ブエミ
中嶋一貴
F.アロンソ MI 失格

– 7 LMP1 トヨタ・ガズー・レーシング トヨタTS050ハイブリッド M.コンウェイ
小林可夢偉
J-M.ロペス MI 失格

– 91 LM-GTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR R.リエツ
G.ブルーニ MI 失格

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