熊本市中心市街地の成長戦略、産学官で10事業展開へ

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 県、熊本市、熊本大と熊本経済同友会、熊本商工会議所でつくる「くまもと都市戦略会議」は21日、熊本地震からの復興に向けた同市中心市街地の成長戦略として、観光・交流や都市基盤再生などに関する10プロジェクトを掲げ、今後10年間に産学官連携で進めることで合意した。

 経済2団体が1月に発表した将来ビジョン「グランドデザイン2050」から優先して取り組む項目を選定。目指す姿を「世界に拓[ひら]く城下町都市」とした。

 同日、蒲島郁夫知事らをメンバーとするトップ会合を熊本市議会棟で開き、了承した。近く実務者組織を設け、事業化に向けた役割分担や優先順位などを詰める。

 各事業を進めることで中心市街地を県全域の経済浮揚をけん引するエンジン役とする考え。具体的には市役所周辺を熊本の「顔」と位置付け、エリア一帯の整備構想を策定。熊本地震で被災、老朽化した区画の再開発に取り組み、都市空間の形成と防災機能の強化を一体的に進める。

 熊本城は観光振興や交流人口を増やす戦略の中核に据えた。旧NHK熊本放送会館や日本たばこ産業(JT)熊本支店の跡地周辺を歴史公園として利活用。地震の被害が大きかった新町・古町地区など城下町の歴史的街並みの再生にも取り組む。

 熊本空港やJR熊本駅など交通拠点とのアクセス強化も図り、九州の国際交流拠点を目指す。また若者の起業支援や社会人教育の充実などで人材の流出を抑えるとした。

 会合は非公開であり、終了後に会見した大西一史熊本市長は「県と市が連携し、さまざまな計画に反映させることで実行性を担保したい」と強調した。(並松昭光)