6月下旬以降人里にサルが出没 異例の長期間目撃情報

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生息域外での目撃情報が相次いでいるサル=1日午後、真岡市西郷

 宇都宮や真岡市など本来サルの生息域ではない地域の人里で6月下旬以降、サルの目撃情報が相次いでいる。県などによると、8月20日までに、県内7市町内で目撃され、各市町などに情報が寄せられた日数は計45日に及ぶ。過去にも目撃情報が続くことはあったが、いずれも1週間程度で約2カ月間にわたるのは異例という。専門家は「雄が別の群れを探して単独で行動する『ハナレザル』」と分析、9月まで人里に姿を現す可能性を指摘している。県は「近づかず、餌などは与えないでほしい」と注意を呼び掛けている。

 県などによると、6月22日に宇都宮市中心部で目撃されたのを皮切りに、各市町や警察に目撃情報が寄せられている。目撃されているのは同市のほか、真岡市、那須烏山市、さくら市、上三川町、芳賀町、高根沢町。住宅街や雑木林、農地などさまざまな場所に出没している。

 8月20日現在、人的被害は確認されていない。ただ農作物被害は報告されており、野菜やナシを食べている姿が目撃されたケースもあった。目撃されたサルはいずれも単独で行動していたという。

 体長は目撃情報によってさまざまで約80~100センチ。県の担当者は、サルの移動範囲が広範なことから「同一個体の移動とは考えづらい」としている。

 野生動物専門家の小金沢正昭(こがねざわまさあき)宇都宮大名誉教授(68)によると、5歳以上の雄が6~9月ごろまでの期間、別の群れを探して単独で行動する「ハナレザル」の習性と考えられるという。小金沢名誉教授は「山の餌が少ない時期でもあり、人里で餌を探しているのだろう」と話した。

 また「管理されていない山や、耕作放棄地の増加で、山の動物の分布は拡大し人里に下りている数が増えている。その一環と考えられる」とも指摘した。県によると、サルの県内の生息域は日光や鹿沼、那須など9市町とされる。

 目撃情報を受け、各市町や警察などが周辺をパトロールするが、現場到着時には既にサルはいなくなっているのが大半という。「捕獲は難しい」(県担当者)のが実情で、県はホームページで目撃情報を公表し、住民に注意喚起している。