内密出産の課題探る 熊本大で国際シンポ きょうまで

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ドイツの内密出産制度について報告するドイツ家族省のユーリア・クリーガー課長=22日、熊本市中央区

 相談機関に実名を明かし、医療機関では匿名で出産する「内密出産」についての国際シンポジウムが22日、熊本市中央区黒髪の熊本大で始まった。内密出産制度を導入しているドイツ政府の担当者や、導入を検討する慈恵病院(同市)の蓮田健副院長らが制度の利点や課題について意見を交わした。23日まで。

 内密出産や、親が育てられない子どもを匿名でも預かる「赤ちゃんポスト」を研究する同大文学部のトビアス・バウアー准教授らが、母子支援の可能性を探ろうと企画。市民ら約30人が参加した。

 ドイツでは2000年に民間団体が「赤ちゃんポスト」を設置。14年5月には法に基づく内密出産制度が導入されている。

 ドイツ家族省のユーリア・クリーガー課長は、18年7月までに467件の内密出産があったことを紹介。「匿名で預けられる赤ちゃんポストでは、子どもは親を知ることができず、一生苦しむ」と指摘し、「事前相談で6割近くの女性が内密出産など子どもの利益に配慮した道を選んだ」と述べた。

 国内で唯一のポスト「こうのとりのゆりかご」を運営する慈恵病院の蓮田副院長は「実母が求める匿名性に応じて、あらゆる選択肢を提供すべきだ」と提言。内密出産の導入に向け「現行法で対応できるよう、活動を続けたい」とした。

 23日はバウアー准教授ら5人の研究報告などがある。(林田賢一郎)

(2018年8月23日付 熊本日日新聞朝刊掲載)