石木ダム建設「賛成」 川棚町長選 出馬意向の2人 反対派の質問状に回答

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダムを巡り、町民有志でつくる「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」(炭谷猛代表)は22日、来月の川棚町長選に立候補する意向を示した2人に送った公開質問状に対し、ともにダム建設に賛成の立場を示す回答があったことを明らかにした。
 町長選にはこれまで、3選を目指す現職の山口文夫氏(71)と同町議で新人の毛利喜信氏(43)が立候補の意向を表明している。「町民の会」は今月10日付で、ダム建設への賛否と理由をただす質問状を2人に送付。18日までにいずれも文書で回答を得た。
 山口氏は、過去に川棚川が氾濫した経緯を踏まえ「石木ダムは治水対策として国の事業認定がなされ、公益性が認められている」と説明。ダム建設予定地の地権者の8割が既に移転をしたことも理由に挙げた。
 毛利氏は「町民の生命・財産を守るために必要とされている」と指摘。「(県などの)事業者が地権者の理解を得て推進することを願う」とし、反対地権者と知事の「橋渡し」ができれば「協力したい」と記した。
 川棚町長選は9月4日告示、9日投開票される。

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