ベッド上の自撮り写真 「#MeToo」運動立役者と未成年男性

By 太田清

フランス・カンヌ国際映画祭で、手を上げる女優のアーシア・アルジェントさん=5月(ロイター=共同)

 性暴力を被害者らが告発する「#MeToo(「私も」の意)」運動の立役者となったイタリア人女優アーシア・アルジェントさん(42)が、当時17歳の男性俳優から性的暴行を受けたと訴えられた問題で、ゴシップを中心とした米ニュースサイト「TMZ」は22日、アルジェントさんと男性俳優がベッドに横たわり、自撮りしたとする写真を掲載した。 

 性的暴行問題は米紙ニューヨーク・タイムズが報じ明らかになったが、アルジェントさんは男性俳優との性的関係を否定。38万ドル(約4200万円)の和解金について、和解金ではなく経済的に困窮した男優を助けるために「哀れみをもって」パートナーだった著名料理家=後に自殺=が支払ったと主張していた。 

 TMZによると、写真は2013年、西部カリフォルニア州のホテルで男性俳優のジミー・ベネットさんが自撮りするなどした4枚のうちの一つで、ベッドの上で上半身裸の男女が寄り添う姿が写っている。 

 TMZはまた、ニューヨーク・タイムズの報道後、アルジェントさんが友人と交わしたとするメールのやりとりの抜粋も明らかにした。この中でアルジェントさんは「彼と性的関係を持った。金銭支払いを脅迫する手紙が来るまでは、彼が未成年だったとは知らなかった」「私の胸が見えるけど、それだけのことよ。何の意味もないわ」と記している。 

 アルジェントさんは、ハリウッド映画界の大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン被告(強姦罪などで起訴)から受けた性的暴行を告白し、#MeToo運動の中心人物となったが、同被告の弁護士は「このスキャンダルは、アルジェントによる驚くべき偽善を示している」とアルジェントさんを批判した。 

 ロサンゼルスの警察当局は、未成年との性的関係を強要した疑いで捜査を開始するとした上で、近くベネットさんから事情を聴く意向を示している。 (共同通信=太田清)

© 一般社団法人共同通信社