カネミ油症事件振り返るパネル展 長崎で9月2日から 実行委「県全体の問題と捉えて」 写真家・河野さんの作品など60点

 長崎県など西日本一帯で健康被害を広げたカネミ油症事件を振り返る写真パネル展が9月2日、長崎市茂里町の長崎ブリックホールで始まる。横浜市の写真家、河野裕昭さん(67)が1970年代に油症被害者の日常を捉えた作品など約60点を展示。15日まで。河野さんが当時を振り返る講演会も11月にある。入場無料。
 事件発覚から今年で50年となるのを機に、長崎大の研究者による「油症事件とPCB汚染を考える2018」長崎展実行委(戸田清代表)が初めて企画。実行委は「被害者が多い五島市では被害者支援への関心も高いが、県本土はそうではない。県全体の問題として捉えてほしい」としている。
 河野さんの76年の写真集「カネミ油症」の掲載写真など約40点を展示し、油症原因のポリ塩化ビフェニール(PCB)やダイオキシンを解説。台湾で起きた同様の油症事件などに関する写真約20点も紹介する。
 パネル展は、長崎大付属中央図書館(文教町)でも11月28日~12月18日、展示数を絞って開く。
 講演会は11月30日午後2時半、長崎大環境科学部棟(文教町)。事前申し込みが必要。実行委(電095・819・2784)。
(田賀農謙龍)

【写真説明】
河野裕昭さん
河野裕昭さんが1973年5月に五島市玉之浦町で撮影したカネミ油症被害者の男性漁師(実行委提供)

© 株式会社長崎新聞社