【高校野球】第100回甲子園で輝いた野手は? 完成度高い外野手、走攻守投揃った二刀流…

第100回甲子園で輝いた野手は?

高校生離れした藤原と根尾の大阪桐蔭コンビ、俊足見せつけた小園

 大阪桐蔭の史上初2回目の春夏連覇で幕を閉じた第100回全国高等学校野球選手権記念大会。数多くの好投手がいたが、優勝した大阪桐蔭をはじめ、将来に期待がかかるスラッガーたちも輝きを放った。編集部が選んだ「甲子園で輝いた選手ベスト5」、野手編はこの5人を選出した。

〇藤原恭大(大阪桐蔭)

 6試合で3本塁打11打点。数字もさることながら、2回戦の沖学園(南福岡)戦では流し打った打球が軽々と左翼にスタンドイン。準々決勝の浦和学院(南埼玉)戦では、好投手・渡辺の内角高めの速球を苦もなく右翼席へ放り込み、さらにはバックスクリーンに2発目を叩き込むなど、すべての打球が衝撃的だった。スイングスピードの速さも特筆もの。俊足で守備範囲も広く、準決勝の済美戦では二塁に走者を置いての中前打でダイレクトバックホームし、走者を刺した。高校生では珍しく完成度の高い外野手で、今秋のドラフトで1位指名する球団もありそうだ。

〇根尾昂(大阪桐蔭)

 藤原と同じく、今大会3本塁打。沖学園戦ではバックスクリーンに打ち込み、浦和学院戦では左中間最深部へ。そして決勝の金足農戦では、剛腕・吉田が疲れで本調子を欠いていたとはいえ、ここでもバックスクリーンに打ち込んでみせた。投手としては沖学園戦、浦和学院戦で先発したが、野手として活躍した印象が強い。守備面でも、二遊間寄りの中前に抜けそうになる打球には非常に強く、ポジショニングも的確。今大会は数多くの大型遊撃手が大会を彩ったが、完成度では群を抜いていると言えそうだ。複数球団がドラフト1位で指名する可能性もありそうだ。

1番で攻撃の起点になった小園、勝負強さ光った日置

〇小園海斗(報徳学園)

 何と言っても、初戦の2回戦、聖光学院(福島)戦での3本の二塁打が印象に残る。小園が出塁、犠打で塁を進めてクリーンアップで返すという、報徳学園の攻撃パターンの中心として輝きを見せた。3回戦の愛工大名電(西愛知)戦では、3三振を喫しながら、振り逃げで出塁して盗塁を決め、ビッグイニングのきっかけを作るなど試合を動かした。守備では俊足、強肩ということもあり、守備位置が極端に深い傾向があった。本塁打こそ出なかったが、1番打者としてレベルの高さを見せつけた。

〇日置航(日大三)

 今大会では19打数5安打、打率.263、3打点。だが、ここ一番での勝負強さを光らせた。真骨頂は、準々決勝の下関国際(山口)戦で、8回に同点に追いついてなお2死三塁の好機に放った決勝の一塁適時内野安打だろう。日大三が誇る強力打線をの中軸としてチームを準決勝まで導き、侍ジャパンU‐18にも選出された。侍ジャパンでは遊撃を本職とする選手が非常に多く、ポジション争いが注目されるところだ。

〇野村佑希(花咲徳栄)

 投手としては、横浜(南神奈川)の前に3回0/3、7失点KOと沈み、2回戦で敗退。夏2連覇はならなかったが、打撃では1回戦の鳴門(徳島)戦、横浜戦と2本の本塁打。昨年も中軸として全国制覇に貢献した打力は、今年も健在だった。外野も守れるが、投手でない時は一塁を守ることが多く、三塁も守れる。2本塁打はいずれも強烈な当たりで、逸材ぶりを見せつけただけに、今年のドラフトで指名を受けそうだ。(Full-Count編集部)

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