金属行人(8月24日付)

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 「『ICEV』って分かりますか」。先日、そんな質問を受けて答えに窮した。残暑厳しい折だけに、字面が涼しげな印象だなあ、などと見当違いな想像を巡らせたのはさておき、正解は「内燃機関自動車」の略である▼要するに従来からあるガソリン車やディーゼル車を指す。環境のためにと、電気自動車、プラグインハイブリッド車など電動車が増えていく。逆につくるのが難しくなるのが昔ながらのICEVだ。実施時期はまだ先だが、すでにフランス、イギリス、ドイツなど欧州各国が「ICEVの国内販売を禁止する」方針を表明している▼米国ではZEV規制、中国ではNEV規制という車の環境規制が浮上している。ZEVはゼロ・エミッション・ビークル、NEVはニュー・エナジー・ビークルのことで、いずれも自動車メーカーに一定量の電動車の生産・販売を義務付ける内容だ。規制を受けて電動車の普及はますます加速するのだろう▼時代ごとに需要家のさまざまな要請がある。それをすくい上げ、新たな製品を生み出し、効率よく量産するためのプロセスを考える。そのたゆまぬ歩みが日本鉄鋼業の強みだろう。車の電動化の波にどう対峙するか。腕の見せどころだと応じたい。