シルバーの働き手足りない 「熊本市人材センター」会員ピンチ

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マンションの植木を剪定する熊本市シルバー人材センターの会員=熊本市西区

 設立30周年を迎えた熊本市シルバー人材センター(西島喜義理事長)が会員の確保に頭を痛めている。法改正で定年後の働き方が変わったことに加え、熊本地震でも会員が減少。仕事の依頼があっても引き受け手が見つからず、断る回数が増えているという。センターは「どうにか会員減少に歯止めをかけたい」とPRに躍起になっている。

 シルバー人材センターは高齢者に仕事の場を提供し、生きがいを見つけてもらうのが設立の目的。熊本市は1987年にスタートした。

 会員になれるのは60歳からで、センターは植木の剪定[せんてい]や駐車場管理といった仕事を企業や個人から請け負い、会員に紹介する。

 1年目は403人だった会員は2001年度には2千人を突破。その後は富合町や城南町、植木町との合併効果もあり、12年度は2542人まで達した。ところが、その後は減少に転じ、今年3月末の会員は2204人。ピークと比べると300人以上減り、3町合併前とほぼ同じ水準に戻った。

 センターによると、“転機”となったのは13年施行の改正高齢者雇用安定法。「企業に継続雇用制度の導入が義務付けられ、希望者は65歳まで働けるようになったことが大きい」と城真二事務局長(54)。さらに熊本地震も追い打ちを掛け、その後も会員数は回復していないという。

 会員が減ったことで請け負った仕事の引き受け手も減り、城事務局長は「このままでは仕事を断る回数が増える」と危機感を隠さない。

 6年前に会員になり、植木の剪定をしている70代男性は「直接感謝の声を掛けてもらうことがやりがい」と話すが、「センターの認知度が低く、老後の選択肢にならないのでは」とも指摘する。

 会員が受け取る報酬は1時間当たり植木の剪定で約千円、駐車場管理は700~800円。

 センターは「外で働く仕事が多い」というイメージを払拭[ふっしょく]するため、体験会や職種ごとの就業相談会も開いている。今後は会員による親睦会や同好会活動も活性化し、会員獲得につなげたい考え。

 城事務局長は「退職後も社会とのつながりを求め、ライフスタイルに合った仕事をしたいという人には最適」と会員登録を呼び掛けている。問い合わせはTEL096(322)3300。(小山智史)